用語辞典

ハウス栽培(はうすさいばい)

施設園芸のうち、木や鉄材で骨組みを作り、ビニール等を覆いかぶせたハウスを用いた栽培方法。保温や加温が可能で冬場でも栽培ができる。同じ目的で使用される温室よりも費用が安い。

ハーベスター(はーべすたー)

農林業において、作物の収穫や樹木の伐採を行う機器の総称。「ハーベスタ」とも呼ばれる。英語は「harvester」。米の収穫に使うコンバインも、広義ではハーベスターの一種。

バイオプラスチック(ばいおぷらすちっく)

バイオプラスチックとは、石油ではなく植物などを用いて製造されたプラスチックのこと。サトウキビやとうもろこしなどを原料として再生可能な「バイオマスプラスチック」と、微生物などによって分解される「生分解性プラスチック」がある。

筆ポリゴン(ひつぽりごん)

筆ポリゴンとは、農林水産省が実施する耕地面積調査等の母集団情報として、全国の土地を隙間なく200平方メートル(北海道は400平方メートル)の区画に区分し、そのうち耕地が存在する約290万区画について、衛星画像等をもとに筆ごとの形状に沿って作成した農地の区画情報のこと。表示している地域は農水省のサイトから参照可能(https://www.alis-ac.jp/Doc/CurrentStatePolygon)。

品種改良(ひんしゅかいりょう)

品種改良とは、生物のもつ遺伝的性質を利用して、目的に合った作物や家畜の新種を人為的に作り出したり、改良したりすること。淘汰法(選択法)・交雑法・突然変異法やバイオテクノロジーの利用などの方法がある。

品種登録(ひんしゅとうろく)

品種登録とは、多収、高品質、耐病性といった優良品種の育成と、その育成者の権利を保護するための種苗法に基づく制度。区別性、均一性、安定性といった特性や、未譲渡性、既存品種や登録商標に間違えない名称の適切性などが登録要件。農林水産省に出願・審査ののち登録されると、育成者権として果樹/林木/観賞樹等の木本性植物は30年、それ以外は25年存続する。なお、農家による自家増殖は、育成者との契約が必要ない場合は原則として自由。

PVPマーク(ぴーぶいぴーまーく)

PVPマークとは、登録品種と、品種登録出願中の品種に付け、登録品種であることを周知するマーク。「Plant Variety Protection」(植物品種保護)の略。登録品種の表示マークとして、登録品種への使用が推奨されている。

フィルム農法(ふぃるむのうほう)

土壌の代わりに、特殊なフィルム上で作物を育てるメビオール社の栽培方法。このフィルムは、細菌やウイルスなどを防ぎ水や養分のみを通すため、土壌汚染地域でも栽培が可能。また、作物がフィルム内に溜まった水や養分をより多く吸い上げようと、アミノ酸や糖分をたくさん作るため、高糖度の作物が育つ。

普及指導センター(ふきゅうしどうせんたー)

農業に精通した相談員による農業従事者や新規就農者への情報提供などで、農業経営や生活のサポートを行う機関。都道府県の出先機関に設置されている。

不耕起栽培(ふこうきさいばい)

収穫が終わった作物の切り株や根を残し農地を耕さずに行う栽培方法。農作業の軽減やコスト削減ができる。

ふるい下米(ふるいしたまい)

ふるい下米とは、玄米の用途をわけるためのふるいから落ちた米のこと。ふるいに残った米が主食用となり、落ちた米の中でもさらにサイズによって主食用(業務用)や加工食品用などに振り分けられる。ふるいの穴のサイズは1.7〜2.0mmほどで、販売目的の違いや品種、作況などの条件により変わる。

フードバリューチェーン(ふーどばりゅーちぇーん)

フードバリューチェーンとは、農林水産物の生産から製造・加工、流通、消費に至る各段階の付加価値を高めながらつなぎあわせることにより構築される、食を基軸とする付加価値の連鎖のこと。

VRグラス(ぶいあーるぐらす)

VRグラスとは、バーチャルリアリティ(VR)を体験するためのメガネ型の端末。VRゴーグルとも呼ばれる。農業においては、遠隔地の人の作業をあたかもその場にいるように把握し、コミュニケーションを取ることができる「スマートグラス」などが実用化されている。

ブロックチェーン(ぶろっくちぇーん)

ブロックチェーンとは、仮想通貨の流通技術として使われている取引データのこと。技術的には、「ブロック」と呼ばれるデータを一定時間ごとに鎖のように連結することで、データの履歴を管理することができる。農業においては、生産者や流通経路の情報などを把握・管理する目的での活用が期待されている。

分げつ(ぶんげつ)

イネ科の植物において、根元から新芽が伸びて株分かれすることを指す。漢字は「分蘖」。品種によって特徴が異なる。

圃場(ほじょう)

作物を栽培する農地のこと。

穂発芽(ほはつが)

小麦や米、トウモロコシなどの農作物において、収穫前の穂の中にある種子から芽が出てしまう現象。食用として収穫できなくなるため、収穫量の現象や、品質低下を招く。収穫時期をずらしたり、育種による品種改良などもされている。

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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