有機栽培の頼れるパートナー!有機農産物に使える農薬&自然農薬【AGRI PICK連携企画 第3弾】

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そんな「AGRI PICK」さんとの連携企画第3弾となる今回は、有機農産物に使える農薬や、農薬がわりに利用できると言われているいわゆる“自然農薬”について、教えていただきました!

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最近多く目にするようになった「有機」表示の野菜、いわゆる「有機農産物」。原則、農薬は使えませんが、「農産物に重大な損害が生じる危険がある場合のみ(有機JAS規格)」使うことができる農薬があるのです。今回はこれらの農薬をご紹介します。

※農薬使用の際は、必ず最新の登録情報を確認し、正しく使用してください。

有機栽培で農薬は使用できる?


「有機農産物」は、登録認定機関の認定を得た農産物の証し

スーパーや宅配の野菜などで「有機トマト」「有機米」など「有機」という表示のあるものがあります。有機食品のJAS規格(農林水産製品について、全国的に統一して定めた規格)に適合した生産が行われていることを登録認定機関が検査し、その結果、認定された事業者のみが有機JASマークを貼ることができ、「有機」の称号が使用できます。このような称号のついた農産物を「有機農産物」と呼んでいます。

条件付きで農薬の使用が可能

有機農産物は、栽培時の化学合成農薬は使用不可。また、種まきや植え付け前の2年間(多年生のものは一番初めの収穫前から3年間経過するまで)は農薬だけでなく、化学合成肥料も使用できないという厳しい規定があります。

ただし、農産物に甚大な被害を与える場合のみ、一定条件下で使用が認められている農薬を使用することができます。例えば耕種的防除、物理的防除、生物的防除、またはこれらを適切に組み合わせた方法で対応します。

有機農産物と「栽培期間中農薬不使用野菜」との違いとは?


「有機農産物」は、原則として収穫前3年間以上農薬や化学合成肥料を使用していないことを意味しています。一方、「栽培期間中農薬不使用」は栽培期間中だけ農薬を使用していないことを意味します。前作で農薬を使用した場合は、その農薬が土壌などに残っているケースも考えられます。

有機農産物の栽培に使える農薬


農薬を使用する際は、必ず最新の登録情報を確認し、正しく使用してください。

1. 有機JAS認定の農薬│殺菌剤

有機JAS認定の農薬には、Zボルドー(無機銅)、カリグリーン(炭酸水素カリウム)、イオウフロアブル(無機硫黄剤)、ハーモメイト水溶剤(炭酸水素ナトリウム)などがあります。

2. 有機JAS認定の農薬│殺虫剤

ゼンターリ顆粒水和剤(バチルス菌)、アーリーセーフ(脂肪酸グリセリド)、マシン油(オイル)、エンストリップ(天敵)などがあります。

家庭菜園でチャレンジ! 自然農薬の作り方

ここまでご紹介してきたのは有機JAS認定の農薬です。一方、農薬ではないものの、農薬に近い効能を発揮すると言われている「自然農薬」というものもあります。

家庭菜園などでは、農薬を使う、というと少し躊躇してしまうかもしれませんが、以下の自然農薬はいずれも身近に手に入るものばかりなので、気軽に使えます。



アブラムシには牛乳が使える

アブラムシには牛乳をなるべく薄めずに、噴霧器で吹きかけます。気温が上がると牛乳が乾いてアブラムシの気門(呼吸する穴)がふさがって、窒息死させることができます。牛乳がよく付着するように、少量の石けんを少し溶かして使うとより効果があります。

ただし、牛乳のにおいが残る場合があるので注意が必要です。

うどんこ病には重曹を

うどんこ病には重曹(食用可)を水で500~1,000倍に薄め、うどんこ病が生じている部分に噴霧しましょう。濃すぎると枯れる場合があるので、様子を見ながら使うことがポイント。発生初期に散布することが重要です。ちなみに重曹がなければ「食酢」を25~50倍にして吹きかけても。

草木灰を殺菌、殺虫剤代わりに


「草木灰」とは落ち葉か木の枝を燃やして作った灰のこと。これを野菜など植物全体に薄く振りかけると、この臭いを嫌ってアブラムシなど害虫が近寄らなくなるそう。また害虫のほか、さび病やうどんこ病などの予防になるといわれています。かけ過ぎると植物が枯れてしまうことがあるので、こちらも様子を見ながら施すようにしましょう。

木酢液で害虫予防

木炭をつくる際に生じる水蒸気を冷やし回収した「木酢液(もくさくえき)」を500倍程度に薄め、植物に噴霧器でかけると、アブラムシなどの害虫予防や蜂などを寄せ付けなくする効果があります。害虫が付着する前に噴霧しておくことがポイントです。

農薬と上手に付き合おう


大規模な農業に限らず、家庭菜園でも病害虫の被害は付きものです。病害虫が発生しているのを見つけたら、できるだけ早い段階で、一定期間継続して散布を続けることが重要です。ニーズが増加している有機農産物、有機JAS認定の農薬と上手に付き合いながら、生産を行うことも重要ではないでしょうか。

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    堀口泰子
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