ナイルワークス、自動飛行農業用ドローン「Nile-T19」を今夏販売

株式会社ナイルワークスは、農業用ドローンの同社量産第1号機「Nile-T19」を、2019年6月より販売開始する予定だ。

Nile-T19

日本では農業従事者の高齢化や後継者不足を背景に離農が加速しており、過去から培われてきたノウハウが失われつつあるなかで、生産者の減少により耕地の集約や農業法人の大規模化が進み、ドローンやロボット、ICT等を活用した農作業の省力化や、品質管理の効率化が求められている。

そんななかでナイルワークスは、「空からの精密農業」をビジョンに掲げ、センチメートル精度で完全自動飛行する農業用ドローンの開発および、ドローンに搭載した専用カメラで作物の生育をリアルタイムで診断し、診断結果に基づいた栽培管理を提案する生育診断クラウドサービスの事業化を推進。2018年夏には、全国各地で75回におよぶ実証実験で農作業の省力化を検証し、地域や水稲の品種ごとの生育データをもとに、診断技術の精緻化も実施してきた。同年には「第8回ロボット大賞 農林水産大臣賞」も受賞している。


今回の量産化モデル第一弾である新型機「Nile-T19」は、同社が開発した世界初となるセンチメートル精度での完全自動飛行技術を搭載したドローン。作物上空30~50cmの至近距離を飛行させることにより、薬剤の飛散量を大幅に抑えるだけでなく、作物の生育状態を1株ごとにリアルタイムで診断し、その診断結果に基づいて最適量の肥料・農薬を散布する。プロペラガードを装着し、通信手段も二重化した作業者の安全性と作業の効率性を高めた機構になっている。


同時に、株式会社INCJ、住友化学株式会社、住友商事株式会社、クミアイ化学工業株式会社、スパークス・グループ株式会社を運営者とする「未来創生2号ファンド」「Drone Fund 2号」を引受先とする総額約16億円の第三者割当増資を実施。創業以来の累計資金調達額は約24億円となる。

今回のドローン販売にあたっては、出資企業・ファンドや、既存株主の全国農業協同組合連合会、農林中央金庫および各販売店とも協力しながら準備を進めているという。

未来創生2号ファンドは、「知能化技術」、「ロボティクス」などの5分野で、未来社会に向けた革新技術を持つ企業を対象に出資を実施しており、ドローン自動飛行技術や生育診断技術により世界の農業を変えようとしている同社への出資を通して、より良い未来社会の実現とイノベーションの加速に貢献するというもの。

Drone Fund 2号は、ドローン前提社会とエアモビリティ社会の実現を目指し投資を行っている。同社のドローンによる農作業の自動化は、現場の負担軽減や産業としての競争力の向上に繋げられ、農業分野におけるドローン活用の可能性が広がる。今回の出資を通じて、農業分野でのドローンの活用を支援し、ドローンの社会実装を目指していくとしている。


<参考URL>
株式会社ナイルワークス

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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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