用語辞典

IoT(あいおーてぃー)

IoTとは、「Internet of Things」の略で、日本語では「モノのインターネット」と呼ばれる。身の回りの様々なものがインターネットを通じてつながり合うことを指している。家電製品を外出先からオン・オフしたり、インターネットの情報をもとに自律動作するようなものを表す。

ICT(あいしーてぃー)

ICTとは「情報通信技術」のことで、「Information and Communication Technology」の略。海外では「IT」よりも一般的に使われている。コンピュータを中心とした技術と、その活用方法までを指し、「IT」よりも広義な意味を持っている。

Iターン(あいたーん)

Iターンとは、大都市などから地方都市に移住することを指す言葉。一般的には「I」の文字の通り、都会から田舎への一方向の動きを示している。

IPM(あいぴーえむ)

IPMは「Integrated Pest Management」の略で、農林水産省は「総合的病害虫・雑草管理」としている。農作物に有害な病害虫・雑草などを農薬やさまざまな防除方法を総合的に組み合わせて防除すること。環境や安全に配慮し、減農薬などを進めることが急務とされている。

アイメック(あいめっく)

アイメックとは、メビオール株式会社が開発したナノサイズの無数の穴が空いた医療用フィルム。農業においては、余分な水分や菌などを通さず、初心者でも失敗なく農作物を作れる栽培方法「アイメック栽培」が有名。

アクアポニックス(あくあぽにっくす)

アクアポニックスとは、水耕栽培と水産養殖を組み合わせたシステムのこと。魚などの排泄物を水耕栽培の栄養として利用し、浄化された水を魚などの飼育に活用する循環型農業となる。

AgTech(あぐてっく)

AgTechとは、英語の「Agriculture Technology」の略語。日本語では「アグテック」と呼ばれ、「スマート農業」「スマートアグリ」などと同じ意味で使われる。AIをはじめとした最先端の科学技術を農業に応用させること。

Agri Assistant(あぐりあしすたんと)

株式会社オプティムが開発した農作業記録・GAP取得支援サービス。病害管理、農薬管理、情報の記録・保管のほか、AI作業支援、Agri Manager連携、施肥管理などの機能を備える。スマートフォン向けアプリとして提供されており、自動音声入力によるハンズフリー入力にも対応。

アジア開発銀行(あじあかいはつぎんこう)

アジア開発銀行(Asia Development Bank)は、アジア・太平洋地域を対象とする国際開発金融機関。略称はADB。世界最大の貧困人口を抱える同地域の貧困削減を図り、平等な経済成長を実現することを最重要課題としている。日本は1966年の設立以来、最大の出資国となっている。

ASIAGAP(あじあぎゃっぷ)

ASIAGAPとは、日本版GAP(JGAP)をもとにアジア圏まで包括したGAP認証制度。ヨーロッパを中心に策定されたグローバルGAPでは対応できないアジア特有の気候や環境の違いを考慮した内容になっており、日本発のGAP認証としてアジアでの普及を目指す。

暗渠(あんきょ)

暗渠とは、ふたが閉じたタイプの排水路のこと。

RFID(あーるえふあいでぃー)

RFIDとは「Radio Frequency Identification」の略で、近距離無線通信を利用した自動認識技術のこと。バーコードやQRコードのような読み取りを行うことなく、複数の製品を同時に、梱包などがされた状態でもチェックできることから、会計、検品、資産管理などに活用されている。

育種(いくしゅ)

育種とは、生物の遺伝的性質を利用し、作物や家畜の中でも利用価値の高い新種を人為的に作り出したり改良したりすること。「品種改良」もほぼ同義。冷害や熱害に強いコメなどで主に行われている。その手段としては、淘汰法(選択法)/交雑法/突然変異法のほか、遺伝子組み替えやゲノム編集などの手法もある。

委託集荷(いたくしゅうか)

委託集荷とは、卸売業者が生産者から販売委託を受けて集荷すること。この方法では、生産物の価格は卸売市場の決定に従い、その価格に応じて卸売業者は委託手数料を受け取ることになる。もし卸売業者が自らの利益だけを求めてしまうと、価格設定や需給調整などが行えてしまうことから、卸売市場法では「委託集荷原則」が定められていた。ちなみに、卸売業者が生産者から直接生産物を買い付けて集荷することを「買付集荷」という。

一村一品運動(いっそんいっぴんうんどう)

一村一品運動とは、各地域で特産品を作り、地域を振興しようという運動。大分県の平松守彦・元知事が提唱し、1980年代に全国に広がった。

遺伝子組み換え(いでんしくみかえ)

遺伝子組み換えとは、遺伝子に直接働きかけて遺伝情報を変化させる手法のこと。掛け合わせや接ぎ木などの「品種改良」と異なり、目的とする性質を持った作物を短期間で効率よく生み出せる反面、その手法により人体や環境に影響を与える可能性も指摘されている。

インバウンド(いんばうんど)

インバウンドとは、外国人が自国に旅行で訪れること。英語では「inbound」。対義語は日本人が海外旅行に行くアウトバウンド(outbound)。

EPA(いーぴーえー)

EPAとは、経済連携協定のこと。英語は「Economic Partnership Agreement」。関税撤廃や非関税障壁の引き下げといった、貿易に関わる両国間の課題を取り除いたり、取引の円滑化や国家間の経済制度、サービス、電子化などを進める役割もある。

ウルグアイ・ラウンド(うるぐあいらうんど)

ウルグアイ・ラウンドとは、1986年に行われた貿易自由化を促進するための多国間通商交渉のこと。農産物の自由化交渉が行われ、日本では最低輸入機会(ミニマム・アクセス)によるコメの輸入が行われ始めるきっかけとなった。

営農指導員(えいのうしどういん)

営農指導員は農協の職員で、組合員のために農業の経営や技術に関する指導を行う者。生産者の巡回指導、出荷や販売に関する情報の収集や普及を担っている。

STS(えすてぃーえす)

STSとは、チオ硫酸銀錯塩のこと。切花などの劣化を抑制するために用いられる液体で、「STS処理」などのように用いられる。

SDGs(えすでぃーじーず)

SDGsとは、国連サミットにより採択された、持続可能な開発目標のこと。英語は「Sustainable Development Goals」。17の大目標と、それを達成するための169の具体的なターゲットが掲げられている。

NDVI(えぬでぃーぶいあい)

NDVIとは「Normalized Difference Vegetation Index」の略称で、「正規化植生指標」と訳される。植物の光の反射をカメラで撮影することで、生育状況などを把握できる。撮影にはさまざまな波長を記録できる「マルチスペクトルカメラ」が使用される。

FAO(えふえーおー)

国連食糧農業機関(Food and Agriculture Organization of the United Nations)の略称。詳細は「国連食糧農業機関」へ。

F1品種(えふわんひんしゅ)

F1品種とは、作物や家畜の異なる品種を交配させることで生まれる一代目の子のこと。優性の法則により優良品種が生まれるため、気候や土地に合う品種の改良が行われてきた。日本の市販野菜のほとんどはF1品種である。

園芸施設(えんげいしせつ)

園芸施設とは、ガラス室やビニールハウス等、主に通常夏季に生産するものを、秋〜春にかけて生産するために用いられる施設。加温設備を備えることで、露地では難しい冬季の栽培も可能になる。

園芸療法(えんげいりょうほう)

「園芸療法」とは、花や植物などを育てる作業、成長していくその過程を体験することを通して、医療や福祉などの心身へのいい効果を与える取り組みのこと。

援農(えんのう)

援農とは、定植・摘果 ・収穫といった人手が必要となる時期に、普段農業に関わらない人が農業を手伝うこと。

Optimal Second Sight(おぷてぃまるせかんどさいと)

Optimal Second Sightとは、株式会社オプティムが提供するスマートグラス、スマートフォン、タブレットのカメラを用いて現場の映像を共有し、各種支援機能を用いて現場作業をサポートできる遠隔作業支援サービス。農業の分野でも、ベテラン農家の判断基準を後進に伝えるなど、さまざまなシーンでの活用が期待されている。オプティムが手がける「スマート農業アライアンス」の一環として開発・運用しており、無料のアライアンス登録を行うことで無料で利用できる。

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WRITER LIST

  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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