静岡県沼津市に、世界初となるほうれん草の次世代型植物工場が建設

菱電商事株式会社と株式会社ファームシップの合弁会社であるブロックファーム合同会社は、ほうれん草の大量生産・安定供給を実現する次世代型の植物工場「Block FARM」を静岡県沼津市に建設した。

Block FARM外観 出典:菱電商事

省エネと収益性を両立


「Block FARM」は、菱電商事が保有する環境制御アルゴリズム・植物工場専用のIoTシステムとファームシップが保有する植物工場向けの栽培技術・工場運営ノウハウを組み合わせたメガソーラー搭載型の植物工場である。

ほうれん草栽培のイメージ 出典:菱電商事

敷地面積は2万平方メートル(延床面積8000平方メートル)で、1日3トン・年間1000トンの生産量を見込むほか、従来型の植物工場の課題である使用電力の削減も実現していく構えという。

特長は以下の通り。

  1. 閉鎖型植物工場では世界初のほうれん草の大量生産を実現。(菱電商事調べ)
  2. 全量自家消費メガソーラー搭載によりCO2排出量を抑制。
  3. 熱還流環境制御アルゴリズムと自然エネルギーの活用により使用電力を従来比較50%削減(菱電商事比較)
  4. 栽培・加工・冷凍一体型施設の導入(計画中)によりライフスタイルの変化に伴う市場ニーズに対応。
  5. 微生物ろ過ごみ処理施設等により食品ロス・廃棄ゼロを実現

出荷開始は2022年8月頃で、100名以上の新規雇用を計画しているとのこと。

同社は、「Block FARM」の運営を通じ、安心・安全な農作物を安定的に供給できる体制を構築していくことで、気候変動の影響など国内農業が抱えるさまざまな課題を解決していきたい考えだ。

施設概要


Block FARM
生産量:日量3トン
所在地:静岡県沼津市原字西中2262-1
規模:1000トン/年
面積:2万平方メートル(延床面積8000平方メートル)
栽培方式:閉鎖型人工光利用
新規雇用:100名以上
竣工日:2022年5月26日


菱電商事株式会社
https://www.ryoden.co.jp/
株式会社ファームシップ
https://farmship.co.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
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    北島芙有子
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    川島礼二郎
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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