水田除草ロボット「ミズニゴール」の最新2025年モデルが提供開始

株式会社ハタケホットケは、水田除草ロボット「ミズニゴール」の最新版として、GNSS自動運転型の2025年モデルの提供を開始する。

2026年の量産化に向け、全国の農家のニーズ対応および実証プロジェクトを進めるため、従来のレンタル提供と農家間のシェアリングの他、初となる販売提供を実施。2025年モデルのオンライン説明会も行われる。



水田の除草作業を自動化


株式会社ハタケホットケは、農作業の負担を軽減することを目的に、スマート農業機械の開発・製造・販売などを行う企業。

環境問題への意識が高まる一方で、日本国内の一般的な農家では、重労働と経営の負担軽減のために除草剤などの農薬・肥料を使用せざるを得ないことから、有機JAS米は0.12%しか生産されていない状況だという。

「ミズニゴール」は、全国で小規模農家が最も多く、後継者不足や耕作放棄地といった農業課題を抱える長野県で生まれた自動除草ロボット。水田を走り回り、田んぼの水を濁らせることで、稲の栄養を奪う雑草の光合成を遮り、除草作業を自動化する。



今回リニューアルした2025年モデルでは、自動運転のシステム設定の精度が向上したほか、ボディの成形方法や部材を変更したことで耐久性・耐水性の向上、軽量化を実現した。

貸与されるGNSS計測機で田んぼの4点の座標(最大20角形まで対応)を計測し、走行データ(Waypoint)を作成。利用者は本機に組み込まれたボタンで田んぼ番号を選択することで、自動走行が可能になる。

昨年の2024年モデルは走破性を重視していたため、田んぼの土の状態によっては苗を土に押し込んでしまうケースも発生したことが課題となっていたが、2025年モデルでは、車輪に稲に優しい形状・素材を採用したことで軽量化を図り、稲への影響が少なくなっているという。

Waypointの例

レンタル提供は、2025年4月中旬以降~7月中旬に開始される。生産台数は最大50台の予定で、改良版2024年モデルも別途50台提供予定となっている。

また、従来のミズニゴールは、小規模農家向けの提供を想定したレンタル提供、または農家間でシェアレンタルできる「地域サポーター制度」による提供であったが、農家の規模によっては「補助金を活用して購入したい」というニーズがあることから、2025年は初めて試験販売を開始する。

同社は、今シーズンの除草効果・土壌環境・走行ルート等の情報を踏まえて改良した最新モデルの量産化を2026年に計画しており、各地から情報を集めて分析し、次年度の量産化に活かすため、最後の実証プロジェクトに参画する農家の募集も行っている。

なお、ミズニゴール2025年モデルの製品および地域サポーター制度のオンライン説明会も開催される。

オンライン説明会日程
2025年1月29日(水)、1月31日(金)、2月1日(土)、2月5日(水) 各日10:00〜
参加申し込み:https://forms.gle/Hsn5Vq96KuKcB5Qo6

ハタケホットケは今後も、有機・自然栽培の普及とスマート化に向けた製品開発と、日本国内の安心・安全な食の普及に向けて貢献していくという。また、さまざまな原料価格の高騰が進む中、費用を抑えながら無農薬や有機農法の導入・転換を促進すると同時に、経営リスクの分散を後押しする事業を進めていくとしている。


製品概要

ミズニゴール2025年モデル

レンタル料金:
ミズニゴール2025 GNSS版 33万円 (税込)
ミズニゴール2024改 ラジコン版 19万8000円(税込)
※追加バッテリー、GNSS設定費用は別途発生

販売価格:
ミズニゴール2025 GNSS版 88万円 (税込)
・預かり保守メンテナンスに加入が前提、2026年モデルへの無償アップグレード付
・1台あたりの抑草・除草能力:10時間の稼働で3ha※追加バッテリー使用。一般的には3~5日おきの運用で9~15haが対応可能
・提供対象:全国の農家・農業組合・自治体・農業関係機関
・提供台数:100台(2025年モデル:50台、2024年モデル:50台)※先着順で受付。予定数を上回った場合はキャンセル待ちとなる


株式会社ハタケホットケ
https://hhtk.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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