KDDI総合研究所「イチゴの出荷における温度データの検証に関わる実証実験」をスタート

株式会社KDDI総合研究所は沖縄セルラー電話株式会社と共同で、サプライチェーン上にある多様なデータを遠隔から自動で確認する技術と、イチゴのパッケージに取り付けたセンサーから出荷地点と輸送中の温度情報を収集するシステムを活用した「イチゴの出荷における温度データの検証に関わる実証実験」を開始した。実施期間は、2021年2月1日~2021年2月28日まで。

日本のサプライチェーンは、情報漏えいやデータの改ざん等の危険性から、セキュリティの強靭性を遠隔から確認する技術の開発が進められている。今回の実証実験では、この技術をイチゴの出荷に応用して、輸送中の温度情報や位置情報の異常値を遠隔から検出する技術の検証を目的としている。

出典:株式会社KDDI総合研究所|イチゴの出荷における温度データの検証に関わる実証実験の実施
KDDI総合研究所は、情報および通信を中心とした技術・システムに関する製品の研究・開発を手がける企業。遠隔から撮影した映像を安全・高品質に伝送する遠隔作業支援システムや超高速超軽量ストリーム暗号アルゴリズム等の製品を提供している。

またKDDI総合研究所では、内閣府が推進する「スマートバイオ産業・農業基盤技術(SIP)」の第2期において、IoT社会に対応したサイバー・フィジカル・セキュリティとして、サプライチェーン上にある多様なデータを遠隔から確認する技術を開発した。

一方、沖縄セルラーは、沖縄県で電気通信および携帯電話サービス等の事業を展開する企業。研究開発の分野では、沖縄県独自の環境に対応した熱中症リスクを低減する解析アルゴリズムや、イチゴのパッケージに取り付けたセンサーから出荷地点と輸送中の温度を収集するシステムの実証実験等に参画している。

農産物を適切な状態で管理・配送できる食品サプライチェーンの実現を目指す


KDDI総合研究所は、経済発展と社会的課題の解決を両立して持続可能な社会を目指す「KDDI Accelerate 5.0構想」のもと、ネットワーク・セキュリティ・IoT・プラットフォーム・AI・XR・ロボティクスの7つの分野を密接に連携するオーケストレーション技術の研究開発を推進してきた。

同社は、今回の実証実験で得た成果を基に、実用化に向けた取り組みを加速して農産物を適切な状態で管理・配送できる食品サプライチェーンの実現を目指す考えだ。


株式会社KDDI総合研究所
https://www.kddi-research.jp/
沖縄セルラー電話株式会社
http://www.au.com/okinawa_cellular
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
  5. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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