エネアグリ「完全資源循環型植物工場システム」を開発、特許出願を完了

株式会社エネアグリは、メタン発酵プロセスから生じる副産物を活用した有機液肥を利用して栽培を行う「完全資源循環型植物工場システム」を開発。関連する新技術の特許出願を完了した。


限られた空間での高収益栽培へ


エネアグリは、農業を中心に再生可能エネルギーのサポートを目的として誕生した企業で、バイオガス生成システムやソーラーシェアリングシステムなどを提供している。

現在、日本の農業は「後継者不足」や「エネルギーコストの高騰」に加え、化学肥料の価格高騰やそれに伴う生産環境の不安定化など、極めて深刻な課題に直面している。これに対する一つの解決策として植物工場が注目を集めているが、従来の植物工場はクリーンルーム設備などにかかる莫大な初期投資や化学肥料溶液を用いた水耕栽培への依存が導入の大きな壁となっていたという。

こうした中、エネアグリは、メタン発酵プロセスから生じる副産物の有効活用に着目。これまで処理や処分に多額のコストと手間がかかっていた消化液を、当社の独自技術を用いて高品質な有機液肥へと再生し、独自の有機培土で栽培を行う「完全資源循環型(クローズド・ループ)植物工場システム」を開発した。関連する新技術の特許出願も完了している。


同システムは、処分困難な消化液を資源に変えることができ、限られた空間でも高収益な栽培が可能となる。現在は葉物野菜だけとなっているが、根菜類の栽培展開も見据えた革新的モデルだとしている。特徴は以下のとおり。

1. 独自の発酵技術「MP16」による、消化液の有機液肥化

独自の湿式メタン発酵プロセス「MP16」技術を活用し、消化液の成分や菌相を適切にコントロール。これまで廃棄物として処理せざるを得なかった消化液を、植物が極めて吸収しやすいミネラル豊富な「最高品質の有機液肥」へと安全にアップサイクルする技術を確立した。

2.「独自の有機培土」を使用した高付加価値栽培

一般的な植物工場で主流となっている水耕栽培とは異なり、独自の有機培土を用いた栽培技術を採用。MP16によって生成された有機液肥と有機培土を組み合わせることで、土壌栽培ならではの豊かな風味、食感、そして高い栄養価を持つ葉物野菜を工場内で安定生産する。

3. 圧倒的な省スペース・高収益設計

空間効率を極限まで高めており、一般的な部屋の天井高さ(210cm)であっても、最大9段もの多段栽培棚が設置可能。これにより、限られた坪数やコンパクトな店舗・倉庫内であっても面積あたりの収穫量を高め、坪あたりの収益性を最大化する。

4. 「トレーごとの個別ケース栽培」で病虫害をガード

工場全体を大規模なクリーンルームにするのではなく、栽培トレーごとに独立した密閉ケースに収めて栽培する独自構造を採用している。万が一、特定のケース内で病虫害やトラブルが発生しても、周囲へ広がるリスクを根本から絶つ。 さらに、特許取得済みの「微生物燃料電池技術」をシステム内に応用。水質・液肥管理を行うことで、クローズドな装置内における有機液肥の腐敗を予防し、衛生的な栽培環境を維持する。

5. イニシャルコストの低減

個別ケース栽培の採用により、工場全体の空調設備や、大掛かりな衛生管理・除菌設備が不要となった。従来の植物工場に比べて初期投資を安く抑えることができるため、少ない負担で資源循環型の農業ビジネスに参入できる。


現在は、さらなる栽培効率の向上や、根菜類などの新適応品種に向けた検証・データ収集を行っており、以下の分野で協働するパートナーぼ募集も行っている。

実証実験パートナー
地方創生や都市型循環社会のモデル構築を目指す地方自治体、未利用スペースを活用して新規農業ビジネスを検討したい企業。
共同研究・技術提携
「MP16」由来の有機液肥を用いた最適な栽培レシピの構築、根菜類などの新適応品種の共同検証、バイオ技術、IoT等を用いた管理システムなどの分野で、共同検証を行える大学・研究機関。
事業展開・海外ライセンス
食料自給や離島での資源確保、環境対策に課題を抱える国内外での事業展開を見据えた協業パートナー。


株式会社エネアグリ
https://www.eneagri.com
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。