ちとせ研究所のバイオマス生産マネジメント、AIによる培養効率アップで協力

株式会社ちとせ研究所が提案した「コンボリューショナルデータを活用したバイオ生産マネジメント」が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「Connected Industries推進のための協調領域データ共有・AIシステム開発促進事業」に採択された。


今回の事業では、味の素株式会社、三井化学株式会社、協和発酵バイオ株式会社、株式会社カネカ、NRI システムテクノ株式会社、株式会社ニコンインステック、国立大学法人長岡技術科学大学、国立大学法人東京大学らも参画し、同社と共同で研究と開発を進める予定だ。

AIによるバイオ生産×株式会社ちとせ研究所


株式会社ちとせ研究所は、日本と東南アジア全11社で活動するバイオベンチャー企業群「ちとせグループ」の中核企業だ。同グループでは全産業のバイオ化を目標に、さまざまなプロジェクトを立ち上げてきた。

今回の助成事業によるプロジェクトの目標は、AIマネジメントによる培養効率のアップにある。
持続可能な社会の実現には、化石資源中心の消費型社会からバイオマス資源基点の循環型社会への転換が必要といわれており、欧米や東南アジアではバイオエコノミーという概念も生まれているほど。

プロジェクトでは、これまで用いられてこなかった、コンボリューショナルデータ(バイオ生産の効率と相関関係を示す測定項目を経時的に測定するさまざまなビックデータ)を活用し、バイオ生産における複雑な因果関係をAIによるマネジメントシステムで解析していく。

同社ではシステムの運用や利便性の向上、情報の共有や課題点の抽出、改善を行い、AIによるマネジメントシステムの構築に向けたデータの共通化や、市場拡大へ向けた基盤提供を進めていく構えだ。

効率的で安価なシステムの提供は、酒やヨーグルトなどの発酵食品、微生物により生産されるアミノ酸など、化石燃料に依存しない化成品などの素材への展開も期待され、今後同社ではすべての産業を対象にした、バイオマス研究にも取り組む考えを示している。

<参考リンク>
株式会社ちとせ研究所
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
味の素株式会社
三井化学株式会社
協和発酵バイオ株式会社
株式会社カネカ
NRI システムテクノ株式会社
株式会社ニコンインステック
国立大学法人長岡技術科学大学
国立大学法人東京大学
SHARE

最新の記事をFacebook・メールで
簡単に読むことが出来ます。

RANKING

WRITER LIST

  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
  4. 鈴木かゆ
    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
  5. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
パックごはん定期便