JAレーク滋賀、営農指導力の維持・強化に向け「栽培アシストAI」を試験導入

レーク滋賀農業協同組合は、JA営農指導力の維持・強化および職員間の指導力平準化を図るため、農業経営情報プラットフォームAgriweBの「栽培アシストAI」を試験導入すると発表した。

試験導入記念のプラチナチケットを贈呈
(右から)JAレーク滋賀 木村理事長、AgriweB 竹谷COO、きゅうりトマトなすび 佐々木社長

AI活用で営農指導力を強化


「栽培アシストAI」は、農林水産業×テクノロジーに特化した東京大学発のスタートアップ・株式会社きゅうりトマトなすびが開発し、ポータルサイト「AgriweB」を運営する株式会社AgriweBが提供する、24時間栽培相談に対応可能なAI。

きゅうりトマトなすびが運営する農業特化型生成AIサービス「ノウノウ」の技術を活用したもので、栽培品目・地域に応じた相談に24時間対応し、病変部の写真をアップロードすることで病害虫診断が行える。日本語のほかに英語、中国語、ベトナム語、インドネシア語に対応している。

病害虫診断イメージ

近年、JA営農指導の現場においても人手不足が叫ばれている。また、夏場の高温などの異常気象によって、各地域では過去に経験したことのない農作物の生育障害や病害虫が発生するなど、営農指導を取り巻く環境は年々厳しさを増してきているという。

今回の栽培アシストAIの試験導入では、情報収集時間の短縮や指導員間の情報共有、現地に赴くことが困難な場合の遠隔地指導、外国人材とのコミュニケーション等に活用し、営農指導力の維持・強化を目指す。

「栽培アシストAI」はデータを追加投入することによるカスタマイズが行えるため、各地域・JAが保有するデータ投入により、人事異動などの際にTAC指導員のノウハウを平準化することも目的に掲げているという。

また、経営面についても、他の相談者の類似質問表示機能を有する経営アシストAI、資金調達・資金計画策定・販路拡大などについて各分野の専門家にチャット相談できる経営アシストチャットも試験導入することになっている。

今後は、試験導入後の現場の声やフィードバックを踏まえながら、利便性向上を図っていく。また機能面のみならず、運用面についても改善を図り、JA営農指導部門以外の職員も活用可能なAIを目指すなどして、新たな営農指導の体制を構築していくことを目指すとしている。

栽培アシストAI 機能一覧
・病害虫画像診断
・AIチャットによる栽培相談(24時間対応)
・栽培品目・地域に応じたアドバイスの最適化
・言語選択・翻訳(日本語、英語、中国語、ベトナム語、インドネシア語)
・画像付きチャット履歴の保存・お気に入り登録
・目的に応じて回答が最適化されたレベル選択(マスター:営農指導員、エキスパート:プロ農家、ビギナー:家庭菜園・貸農園)



レーク滋賀農業協同組合
https://ja-lakeshiga.or.jp/
株式会社きゅうりトマトなすび
https://www.cte-agri.com/
株式会社AgriweB
https://www.agriweb.jp
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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