日本農薬、稲の病害虫を診断できるスマホアプリ「レイミーの AI病害虫雑草診断(水稲版)」配信

日本農薬株式会社は、農作物や圃場に発生する病害虫や雑草の防除に適切な農薬情報を検索する際に便利なツールとして、スマートフォン用アプリケーション「レイミーの AI病害虫雑草診断(水稲版)」の配信サービスを開始した。現在の農業で深刻な課題となっている担い手不足に対して、効果的な取り組みであるスマート農業を通じて生産者の利便性を向上させることを目指すという。

4社が持つ適切な防除情報をアプリで提供

日本農薬株式会社は、スマート農業の普及させるため、同じ思いを持った日産化学株式会社、日本曹達株式会社、三井化学アグロ株式会社の三社と連携。AIやICTなどの先端技術を活用し、生産性の向上や担い手不足の解消を目指す。

今回リリースする「レイミーのAI病害虫雑草診断(水稲版)」上では、4社が保有する農薬情報を提供している。


使い方は、スマートフォンのカメラで撮影するだけ。作物や田畑に発生する病害虫や雑草の画像に対して、AIによる診断を行うことができる。生産者が同じ種類と見極めた病害虫や雑草については、その防除に適切な農薬を検索し、詳細な情報にアクセスすることが可能だ。

同アプリはiOS・Androidともに対応でAppStoreまたはGooglePlayを通じて無料でダウンロードすることができる。

「レイミーのAI病害虫雑草診断アプリ」の主な機能

AI病害虫雑草診断機能


作物に発生した病気や害虫、圃場に発生した雑草などの診断を行う場合、スマートフォンで撮影するかギャラリーから選択し、「AI 診断」をタップすると、それがどのような病害虫・雑草か診断される。診断結果はAIの自信度が高い順に表示されるとともに、撮影物の識別に役立つ病害虫雑草のミニ図鑑が表示されるという。


防除薬剤提案機能


診断結果にもとづき、防除に有効な薬剤の一覧を表示。薬剤を選択すると詳細情報を確認でき、選択した薬剤をお気に入り登録して保存しておくこともできる。


カルテ式診断機能


撮影した写真と病害虫・雑草ミニ図鑑の写真を比較しながら、自分で撮影物を診断する「カルテ式診断」機能も。

診断結果保存機能


診断結果は履歴として一定期間保存されるので後で確認することもでき、写真を撮った場所と診断を行った場所をマップ上に表示することもできる。

天気予報といもち病発生予測機能

現在地の天気予報の確認や気象状況からいもち病の発生を予測する機能も。


なお、同アプリはまだ試行版という位置づけであり、生産者からの意見に基づきさらにアップデートされる。

また、現在は水稲専用となっているが、今後は順次機能を追加するとともに、AI診断が可能な作物を拡大していく予定だ。


日本農薬株式会社
https://www.nichino.co.jp/products/aiapp/index.html
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
  5. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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