1フライト約130Lの散布が可能に 農業用ドローン対応「散水ホースアタッチメントシステム」販売開始

株式会社グローバルリングと株式会社ワイズ技研が運営する産業用ドーロンサービス「SkyFarm(スカイファーム)」は、農業用ドローンに装着できる「散水ホースアタッチメントシステム」の販売を開始した。

価格は16万円(税別)で、注文者への納品は2020年6月中旬以降を予定している。

SkyFarmでは同アタッチメントシステムの販売開始に合わせ、ドローンを活用したソーラーパネル洗浄や温室ハウス洗浄等の事業もスタートした。



SkyFarmは、グローバルリングとワイズ技研が共同で運営する産業用ドーロンのサービスブランド。事業内容は、各種機体販売・メンテナンス、導入コンサルティング、請負受託サービス、ライセンススクールの開催などで、農業分野においても農薬や液体肥料の散布作業など、ドローンを活用した営農管理を促進している。


地上からの送水システムで1フライト/約130リットルの散布が可能に


「散水ホースアタッチメントシステム」は、農業用ドローンで国内シェアトップを誇るという世界最大手のドーロンメーカーDJI社が展開する「DJI Agras MG-1」モデル向けに開発されたアタッチメントシステムだ。

同アタッチメントは、農閑期における農業用ドローンの利活用を目指したシステムで、大量散布を可能にする地上からの送水機能とミスト粒状を変更できる専用ノズルが特徴という。


送水は地上に設置した大容量タンクにつながった散水ホースを通して行われ、従来では10~16リットル程度のタンク容量に依存していた1フライトあたりの散布量を、最大130リットル超程度まで増やすことができる。

また液剤等の圧送に使用される設備には、農業シーンで多く利用されている100~200リットルのタンクや動力噴霧器、高圧ホースがそのまま活用できるため、新たな投資も必要としない。これにより、農業者は地上での散布作業と同様に、使い慣れた希釈倍数で空中からの農薬散布が可能となった。

専用ノズルは、散布対象や用途に応じてミスト粒状を容易に変更できる。SkyFarmは「多くの作業シーンで一つの機体とアタッチメントを活用することが可能になる」とコメントしている。


同アタッチメントシステムは、国土交通省航空局の包括許可の取得申請も済んでおり、今後は対応が難しかった希釈倍数の高い農薬の散布サービスも展開していくとのこと。

SkyFarmでは、全国各地での説明会やデモ飛行の実施も予定しており、農業現場の声を生かした農業用ドローン対応型のアタッチメントの開発を継続して進める考えだ。

SkyFarm
https://www.skyfarmjapan.com/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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