長野県上田市でAI選果や遠隔営農を活用した「農業デジタル人材育成プロジェクト」がスタート

上田市、信州うえだ農業協同組合、有限会社信州うえだファーム、長野県上田農業農村支援センター、NTT東日本、株式会社NTTアグリテクノロジーの6者は共同で、地域おこし協力隊の新規就農希望者を対象に、AIやIoTICTなど先端技術を活用したスマート農業を実践できる場を提供して、地域農業の発展に必要な農業デジタル人材を育成するプロジェクトを開始する。

持続可能な農業を実践するリーダーを育成

 
今回のプロジェクトは、農業が盛んな上田市が掲げる「上田市スマートシティ化推進計画」の一環で行われるもの。

「上田市スマートシティ化推進計画」とは、AIやIoTなどの先端技術を活用して市民生活の利便性向上や地域課題の解決を図る施策のことで、内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議が実施する「令和4年度SDGs未来都市計画」にも選定されている。

今回のプロジェクトでは、上田市農業バイオセンターや信州うえだファームらが保有する5つの農場を使用して、スマート農業技術を活用した栽培指導を実施。栽培スキルの習得に必要な経験や時間を短縮していくことで、今後求められる持続可能な地域農業を実践するリーダーを早期に育成していく。

プロジェクトの内容および各者の役割は以下の通り。

1.データに基づく栽培管理とスマートグラスを活用した遠隔営農相談の実施
IoTセンサーを利用して温度や湿度など農場の環境データを収集し、データに基づく栽培管理を実施。
スマートグラスを活用して農作物の生育状況を遠隔からリアルタイムに確認し、農業生産に必要な栽培スキルを身に付けてもらう。


2.AIを活用した農産物選果スキルの習得
AI選果識別サポートシステム活用して選果作業をサポート。
熟練農業者の選果感覚を習得することで、地域農産物の品質やブランドの維持向上に役立つスキルを身に付けていく。


各者の役割
上田市
新規就農希望者の受け入れ支援とプロジェクト全体総括
信州うえだ農業協同組合
・新規就農希望者に対する営農技術指導
有限会社信州うえだファーム
・農場での作業指導や安全講習および就農に必要な地域とのコーディネート
長野県上田農業農村支援センター
・新規就農希望者に対する就農計画の作成支援や就農後の経営指導
NTT東日本長野支店
・上田市スマートシティ化推進パートナーとしてのICT活用サポート
NTTアグリテクノロジー
・農業デジタル人材育成全般

6者は、今回のプロジェクトを通じて農業の省力化や生産性向上につなげることで、持続可能な地域を実現していきたい考えだ。


上田市
https://www.city.ueda.nagano.jp/
信州うえだ農業協同組合
https://www.ja-shinshuueda.iijan.or.jp/
有限会社信州うえだファーム
https://shinshuueda-farm.com/
長野県上田農業農村支援センター
https://www.pref.nagano.lg.jp/josho/nosei-aec/kannai/gyomu/ueda-nogyo.html
NTT東日本
https://www.ntt-east.co.jp/
株式会社NTTアグリテクノロジー
https://www.ntt-agritechnology.com/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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