新卒・転職者が農業分野で急拡大中! 就農マッチングイベント「アグリク2019」
今年で11回を数える「農業と食の就・転職フェア アグリク2019」(主催・アグリコネクト株式会社/株式会社あぐりーん)が、2018年4月14日、東京流通センターで開催されました。
この「農業と食の就・転職フェア」は、日本最大級の農業就職イベントです。農業に関心の高い新卒学生、第2新卒、中途などの若手とのマッチングを目的としています。セミナー会場では農林水産省事務次官の奥原正明氏、AI・IoT技術によるスマート農業に取り組んでいる株式会社オプティム執行役員・休坂健志氏などの基調講演の他、出展企業の経営者たちが自ら行うプレゼンテーションや、座談会&先輩社員トークショーなども行われました。
また、展示ブースには日本全国から先進的な取り組みを推進している57の企業・農業法人・自治体などが出展。稲作や野菜から養豚、肉牛、そして6次産業化、農業資材、流通、農業コンサル、スマート農業と、幅広い業種が集まり、約600人の来場者と経営者、採用担当者らが熱いディスカッションで盛り上がっていました。
こうした多くの展示ブースから、今回は編集部が注目した農業法人などをいくつかご紹介します。いずれもIT技術を活用していたり、新しい取り組みを実践されている方々ばかりで、新規就農や転職先としての農業界が大きな注目を集めていることが実感できました。さらに、主催者であるアグリコネクト株式会社にもお話を伺いました。
──サラダボウル様では、農業にどのようにAIを取り入れているのでしょうか?
田中氏:NTTさんとオプティムさんにご協力いただき、収穫予測システムにAIの導入をスタートさせました。具体的に言うと、農場の作物の画像をAIに分析させて、どの実がいつ収穫できて、何月何日にお客様にお届けできるのか、ということがわかる仕組みを作っているところです。
──毎日の出荷をAIに予測させる、ということですね。
田中氏:それを目指しています。ITを導入する一番のメリットは、経営構造そのものを変えられることです。ITを活用することで収益構造を変え、生産工程管理や労務管理も変えることができる。今までできなかったことをする、次の時代のまったく違う産業構造へと変化させる、自分たちが理想とする経営構造にシフトさせることができるのがITだと考えています。企業を根本から変えることができるのがIT。ただの便利グッズではありません。
──成果の方はいかがでしょうか?
田中氏:始めた最初の数カ月間は「大丈夫かな?」と心配していましたが、半年くらい経った頃から成果が出てきました。それも驚くくらいの成果です。
やはり、ITに特化したNTTさんやオプティムさんのような企業のノウハウを農業界に展開していくことが重要だと思いました。
──こと京都様ではITをどのように導入されているのでしょうか?
山田氏:生産管理にITを導入しました。こと京都は「九条ねぎ」を専門とし、1年中栽培しています。農業ではちょっとした気象の変化でも年の生産量が変わってしまいます。しかし、それでは経営を安定させて発展させることはできません。なにより、我々の九条ねぎを楽しみにされている消費者の皆さんに、安定生産による安心と味をお届けしないといけない。そのため、生育状況は一番の肝。それを確認するために活用しています。
──生育状況の確認にITが活躍している、ということですね。
山田氏:九条ねぎの画像を解析し、データを蓄積することで、いつ頃収穫できる、と予測ができるように取り組んでいるところです。
──成果の方はいかがでしょうか?
山田氏:始めてまだ1年なので、正直これからといったところです。今はデータを蓄積している段階で、ここからさらに精度を高めていこうとしているところです。また、画像を解析することで九条ねぎのコンディションもわかりますので、予定通りに収穫できるのかできないのかもわかるようになります。そういった取り組みにもチャレンジしようと考えているところです。
──雇用の面ではいかがでしょうか?
山田氏:何十年も経験しないとできない農業を、2~3年で十分にやれる状況を作ろうと思っています。こと京都は研修プログラムを用意しており、独立したい人を支援しています。取り扱っている作物は九条ねぎだけなので、生産技術も覚えやすい。今まで5人が3~4年の研修を経て独立しました。昨年独立した方はひとりで500万円の売上があり、今年は1000万円になる見込みです。
我々は独立した方が生産した九条ねぎはすべて買い取っています。こと京都は生産と加工と販売をトータルに行っていますが、独立した人には生産だけに専念してもらう。もちろん、販売もやりたくなればやればいい。独占するつもりはありません。そのようなシステムなので独立もしやすくなっています。今は13人の研修生が働いています。また、九条ねぎで培ったノウハウは他の野菜などに活かすこともできます。夢を持って取り組んでもらっています。
──アグリクへの出展は初めてでしょうか?
俵氏:昨年も一度、出展しています。氷川町役場では農家さんの雇用サポートを行っているのですが、氷川町で働くとなると移住にもかかわることですので、就農したい方のサポートも必要ということで、その両方のサポートを行うために出展しました。
──成果の方はいかがでしょうか?
俵氏:まだ、形を作っている段階ですが、2月に農家と就農希望者とのマッチングツアーを開催させていただき、そのなかで就農につながった例があります。今回は、氷川町の農業法人の石原グループ様にもブースに同席していただいています。住むところがどのような街なのかわからないと不安もあり、移住しにくいと思いますので、就農希望者にはまず、氷川町を知っていただくために町の説明をします。そして、職場について詳しく知りたいという方には石原グループ様に説明していただく、という方法を取っています。
──IターンとUターンはどちらが多いのでしょう?
俵氏:Iターンの方が多いですね。氷川町のことを知らない方が大半です。氷川町は気候が穏やかで、一年中を通して様々な作物を作ることができます。熊本市内からも車で45分くらいと利便性もあります。
──氷川町としての課題はなんでしょうか?
俵氏:やはり、農家さんが求人を出しても集まりにくい、ということですね。求人を出すとなると町ではハローワークになるのですが、地元という利便性もある一方で、就職となると一般の企業も選択肢に入ってしまい、農家というのは就職先としてはなかなか選ばれにくいんです。でも、氷川町の農業には魅力がたくさんありますので、IターンやUターンなどで東京など都会に住んでいる人にも氷川町の魅力を伝えて興味を持ってもらい、マッチングできれば、と思っています。
──今年で11回目の開催となりますが、過去と比べてどのような変化がありますでしょうか?
前田氏:変化としては、新卒を採用する農業法人が増えている、ということが挙げられると思います。これは5年前にはあまりなかったことです。新卒を受け入れるようになって2年目、3年目という農業法人が増え、採用にも慣れてきている、と感じています。
我々としては、今の農業界は他の産業界や食品業界と人材争奪戦を繰り広げている、と捉えています。そのようなライバルに勝つためには、農業法人も採用スキルを上げて行かなければなりません。
──新卒と転職の比率はどうでしょうか?
前田氏:今年の事前登録者は学生が6割、社会人が4割です。学生にとっても農業は魅力的な市場になっている、ということは間違いないと言えます。学生は農学部の方が半分を占めます。しかし、農学部でない方は農業のことは知らないかというとそのようなことはなく、かなり勉強をして来てくれています。農業を魅力的な産業と捉えている学生は多くなっていますね。
──農業法人が求める人材とはどのようなものでしょうか?
前田氏:前提として生産性を向上してくれる人、農場長候補となりうる人材を求めていますが、最近の傾向としては、加えて企画や営業、品質管理など、食品企業が求める人材と近くなっている企業が増えています。また、農業の専門性はそれほど求めず、優秀な人材を求めています。
──農業の今後をどのようにお考えですか?
前田氏:農業は今後、拡大していく産業です。チャンスと捉えている企業・農業法人も多い。企業が農業をやる、もしくは企業が農家とアライアンスを組んで新しい法人を作るといった形で、企業が農業を始めるケースは増えてきています。学生たちも、そのような企業を一般の企業と同じように就職の選択肢のひとつとして捉える人が多くなってきました。農業法人であっても、給料は一般企業とあまり変わらない、だったら日本の食文化を支える企業・農業法人で働きたいと夢を抱いている、「やりがい」という視点から農業を魅力的な産業と考えている……今後はそのような人がもっと増えていくと考えています。
会場には朝早くから農業に将来性を感じている若い男女が多く集まり、今回ご紹介した展示ブース以外も一日を通してたくさんの人でにぎわっていました。数多くの若者たちが展示ブースやセミナーで、採用担当者の話を熱心に聞いていた姿が特に印象的でした。
2017年の第10回では、ブースを訪れ、その後会社説明会や農業見学、選考に進みたいと意向を示した方は1社あたり平均7.7人とのデータがあります。参加した人たちは誰もが「日本を支える食」について真剣に考え、自分たちの進路を決めようとする姿勢に溢れていたと感じました。また、出展している企業・農業法人・自治体もそんな若者たちに応えるべく、自分たちをアピールするだけでなく、若者たちに耳を傾け、アドバイスもしていました。
これからの日本の農業を革新していくのは、間違いなく若者と先進的な農業従事者ということははっきりと言えるのではないでしょうか。
<参考URL>
アグリク2019
http://agric.agri-connect.co.jp/
農業法人サラダボウル
http://www.salad-bowl.jp/
農業生産法人 こと京都株式会社
https://kotokyoto.co.jp/
熊本県氷川町
http://www.hikawacyou.hinokuni-net.jp/
アグリコネクト株式会社
http://agri-connect.co.jp/
この「農業と食の就・転職フェア」は、日本最大級の農業就職イベントです。農業に関心の高い新卒学生、第2新卒、中途などの若手とのマッチングを目的としています。セミナー会場では農林水産省事務次官の奥原正明氏、AI・IoT技術によるスマート農業に取り組んでいる株式会社オプティム執行役員・休坂健志氏などの基調講演の他、出展企業の経営者たちが自ら行うプレゼンテーションや、座談会&先輩社員トークショーなども行われました。
また、展示ブースには日本全国から先進的な取り組みを推進している57の企業・農業法人・自治体などが出展。稲作や野菜から養豚、肉牛、そして6次産業化、農業資材、流通、農業コンサル、スマート農業と、幅広い業種が集まり、約600人の来場者と経営者、採用担当者らが熱いディスカッションで盛り上がっていました。
こうした多くの展示ブースから、今回は編集部が注目した農業法人などをいくつかご紹介します。いずれもIT技術を活用していたり、新しい取り組みを実践されている方々ばかりで、新規就農や転職先としての農業界が大きな注目を集めていることが実感できました。さらに、主催者であるアグリコネクト株式会社にもお話を伺いました。
ITの導入で経営構造も変わる ─株式会社サラダボウル─
農業法人株式会社サラダボウルは、「農業の新しいカタチを創る」というスローガンを掲げ、世界でも最先端のIT技術を導入した複合環境制御型大規模グリーンハウスを展開しています。農業ICTや農業ロボットの開発にも携わり、テクノロジーで農業が抱える課題を打破することを目的として日々、邁進しています。農業法人株式会社サラダボウル 代表取締役 田中進氏
──サラダボウル様では、農業にどのようにAIを取り入れているのでしょうか?
田中氏:NTTさんとオプティムさんにご協力いただき、収穫予測システムにAIの導入をスタートさせました。具体的に言うと、農場の作物の画像をAIに分析させて、どの実がいつ収穫できて、何月何日にお客様にお届けできるのか、ということがわかる仕組みを作っているところです。
──毎日の出荷をAIに予測させる、ということですね。
田中氏:それを目指しています。ITを導入する一番のメリットは、経営構造そのものを変えられることです。ITを活用することで収益構造を変え、生産工程管理や労務管理も変えることができる。今までできなかったことをする、次の時代のまったく違う産業構造へと変化させる、自分たちが理想とする経営構造にシフトさせることができるのがITだと考えています。企業を根本から変えることができるのがIT。ただの便利グッズではありません。
──成果の方はいかがでしょうか?
田中氏:始めた最初の数カ月間は「大丈夫かな?」と心配していましたが、半年くらい経った頃から成果が出てきました。それも驚くくらいの成果です。
やはり、ITに特化したNTTさんやオプティムさんのような企業のノウハウを農業界に展開していくことが重要だと思いました。
九条ねぎの1年間の安定生産をITで実現 ─こと京都株式会社─
こと京都株式会社は、京都の伝統野菜「九条ねぎ」を生産している農業生産法人です。設立して17年目、九条ねぎの生産・加工・販売をトータルに行い、消費者に高品質の商品を届けています。また、こと京都での勤務を経て農家として独立する方たちの支援も行っています。京都の伝統を守りながらも農業にITを取り入れ、新しいチャレンジにも意欲的です。こと京都株式会社代表取締役 山田敏之氏
──こと京都様ではITをどのように導入されているのでしょうか?
山田氏:生産管理にITを導入しました。こと京都は「九条ねぎ」を専門とし、1年中栽培しています。農業ではちょっとした気象の変化でも年の生産量が変わってしまいます。しかし、それでは経営を安定させて発展させることはできません。なにより、我々の九条ねぎを楽しみにされている消費者の皆さんに、安定生産による安心と味をお届けしないといけない。そのため、生育状況は一番の肝。それを確認するために活用しています。
──生育状況の確認にITが活躍している、ということですね。
山田氏:九条ねぎの画像を解析し、データを蓄積することで、いつ頃収穫できる、と予測ができるように取り組んでいるところです。
──成果の方はいかがでしょうか?
山田氏:始めてまだ1年なので、正直これからといったところです。今はデータを蓄積している段階で、ここからさらに精度を高めていこうとしているところです。また、画像を解析することで九条ねぎのコンディションもわかりますので、予定通りに収穫できるのかできないのかもわかるようになります。そういった取り組みにもチャレンジしようと考えているところです。
──雇用の面ではいかがでしょうか?
山田氏:何十年も経験しないとできない農業を、2~3年で十分にやれる状況を作ろうと思っています。こと京都は研修プログラムを用意しており、独立したい人を支援しています。取り扱っている作物は九条ねぎだけなので、生産技術も覚えやすい。今まで5人が3~4年の研修を経て独立しました。昨年独立した方はひとりで500万円の売上があり、今年は1000万円になる見込みです。
我々は独立した方が生産した九条ねぎはすべて買い取っています。こと京都は生産と加工と販売をトータルに行っていますが、独立した人には生産だけに専念してもらう。もちろん、販売もやりたくなればやればいい。独占するつもりはありません。そのようなシステムなので独立もしやすくなっています。今は13人の研修生が働いています。また、九条ねぎで培ったノウハウは他の野菜などに活かすこともできます。夢を持って取り組んでもらっています。
Iターン、Uターンの就農希望者をマッチング ─熊本県氷川町役場─
今回唯一、自治体として就農マッチングを目的に出展していたのが熊本県の氷川町(ひかわちょう)役場です。熊本県の梨の発祥地として農業に恵まれ、畳の原料となるい草などの栽培も盛んです。また、2ヘクタール規模の大規模な農業経営が可能となっています。このイベントでは、次世代の農業を目指す若い人材に対して、将来の経営幹部や独立経営を見据えた、町内農家への雇用就職の支援などを行っていました。氷川町役場農業振興課 俵友恵氏に話を伺いました。氷川町役場農業振興課 俵友恵氏/氷川町キャラクター「ひかりん」
──アグリクへの出展は初めてでしょうか?
俵氏:昨年も一度、出展しています。氷川町役場では農家さんの雇用サポートを行っているのですが、氷川町で働くとなると移住にもかかわることですので、就農したい方のサポートも必要ということで、その両方のサポートを行うために出展しました。
──成果の方はいかがでしょうか?
俵氏:まだ、形を作っている段階ですが、2月に農家と就農希望者とのマッチングツアーを開催させていただき、そのなかで就農につながった例があります。今回は、氷川町の農業法人の石原グループ様にもブースに同席していただいています。住むところがどのような街なのかわからないと不安もあり、移住しにくいと思いますので、就農希望者にはまず、氷川町を知っていただくために町の説明をします。そして、職場について詳しく知りたいという方には石原グループ様に説明していただく、という方法を取っています。
──IターンとUターンはどちらが多いのでしょう?
俵氏:Iターンの方が多いですね。氷川町のことを知らない方が大半です。氷川町は気候が穏やかで、一年中を通して様々な作物を作ることができます。熊本市内からも車で45分くらいと利便性もあります。
──氷川町としての課題はなんでしょうか?
俵氏:やはり、農家さんが求人を出しても集まりにくい、ということですね。求人を出すとなると町ではハローワークになるのですが、地元という利便性もある一方で、就職となると一般の企業も選択肢に入ってしまい、農家というのは就職先としてはなかなか選ばれにくいんです。でも、氷川町の農業には魅力がたくさんありますので、IターンやUターンなどで東京など都会に住んでいる人にも氷川町の魅力を伝えて興味を持ってもらい、マッチングできれば、と思っています。
農業法人も新卒採用の時代へ ─アグリコネクト株式会社─
どの出展社も非常に魅力的な取り組みを実践されていますが、まさに今、大規模農業法人などで人材不足が顕著になっていると言います。そのような人材を求めている企業に対して支援を行っているのが、このアグリクを主催するアグリコネクト株式会社。11回目を数える今年のアグリクの出展社、参加者の状況を伺いました。アグリコネクト株式会社取締役副社長 前田慶明氏
──今年で11回目の開催となりますが、過去と比べてどのような変化がありますでしょうか?
前田氏:変化としては、新卒を採用する農業法人が増えている、ということが挙げられると思います。これは5年前にはあまりなかったことです。新卒を受け入れるようになって2年目、3年目という農業法人が増え、採用にも慣れてきている、と感じています。
我々としては、今の農業界は他の産業界や食品業界と人材争奪戦を繰り広げている、と捉えています。そのようなライバルに勝つためには、農業法人も採用スキルを上げて行かなければなりません。
──新卒と転職の比率はどうでしょうか?
前田氏:今年の事前登録者は学生が6割、社会人が4割です。学生にとっても農業は魅力的な市場になっている、ということは間違いないと言えます。学生は農学部の方が半分を占めます。しかし、農学部でない方は農業のことは知らないかというとそのようなことはなく、かなり勉強をして来てくれています。農業を魅力的な産業と捉えている学生は多くなっていますね。
──農業法人が求める人材とはどのようなものでしょうか?
前田氏:前提として生産性を向上してくれる人、農場長候補となりうる人材を求めていますが、最近の傾向としては、加えて企画や営業、品質管理など、食品企業が求める人材と近くなっている企業が増えています。また、農業の専門性はそれほど求めず、優秀な人材を求めています。
──農業の今後をどのようにお考えですか?
前田氏:農業は今後、拡大していく産業です。チャンスと捉えている企業・農業法人も多い。企業が農業をやる、もしくは企業が農家とアライアンスを組んで新しい法人を作るといった形で、企業が農業を始めるケースは増えてきています。学生たちも、そのような企業を一般の企業と同じように就職の選択肢のひとつとして捉える人が多くなってきました。農業法人であっても、給料は一般企業とあまり変わらない、だったら日本の食文化を支える企業・農業法人で働きたいと夢を抱いている、「やりがい」という視点から農業を魅力的な産業と考えている……今後はそのような人がもっと増えていくと考えています。
会場には朝早くから農業に将来性を感じている若い男女が多く集まり、今回ご紹介した展示ブース以外も一日を通してたくさんの人でにぎわっていました。数多くの若者たちが展示ブースやセミナーで、採用担当者の話を熱心に聞いていた姿が特に印象的でした。
2017年の第10回では、ブースを訪れ、その後会社説明会や農業見学、選考に進みたいと意向を示した方は1社あたり平均7.7人とのデータがあります。参加した人たちは誰もが「日本を支える食」について真剣に考え、自分たちの進路を決めようとする姿勢に溢れていたと感じました。また、出展している企業・農業法人・自治体もそんな若者たちに応えるべく、自分たちをアピールするだけでなく、若者たちに耳を傾け、アドバイスもしていました。
これからの日本の農業を革新していくのは、間違いなく若者と先進的な農業従事者ということははっきりと言えるのではないでしょうか。
<参考URL>
アグリク2019
http://agric.agri-connect.co.jp/
農業法人サラダボウル
http://www.salad-bowl.jp/
農業生産法人 こと京都株式会社
https://kotokyoto.co.jp/
熊本県氷川町
http://www.hikawacyou.hinokuni-net.jp/
アグリコネクト株式会社
http://agri-connect.co.jp/
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