植物性堆肥とは?種類別の作り方・効果・使い方総まとめ【AGRI PICK連携企画】

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そんな「AGRI PICK」さんと初の連携企画が実現! 今回は、新規就農を目指している方から家庭菜園などで土いじりを始めたいという方まで役立つ「堆肥」について教えていただきました!


出典:pixabay

植物を育てるときに土づくりはとても大事な要素です。いくら丁寧に管理しても、土の性質が悪かったり、栄養分が少ないと健全に植物は育ちません。土壌をよくするためには「堆肥」をうまく使うことが大切です。堆肥は肥料と混同されてしまうこともありますが、その目的や使い方は異なります。そんな堆肥について、そもそもどういったものなのかといった説明から、その種類や効果、使い方の違いまで解説いたします。

堆肥とは?

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堆肥について

堆肥とはわらや枯れ草、枯れ葉、藻類などの植物や、鶏ふんや牛ふんといった家畜のふんを堆積して発酵させたものです。土の中に含まれる植物の生育に有効な微生物を増やし、土を肥沃にするために使われる資材になります。

通気性や排気性に優れるものが多い点が特徴で、物理的にも微生物的にも土をより植物を育てやすい状態に改良します。堆肥は古くから利用され、とくに植物性のものであれば自作することも難しくありません。

堆肥と肥料の違い

たまに混同されてしまいますが、堆肥と肥料は異なります。

肥料は花をたくさん咲かせたり、おいしい野菜を作るために植物に必要な栄養を補うものであり、土を改良することが主な目的の堆肥とは用途が異なります。肥料には植物の生育にとくに重要な、リン酸、カリウム、窒素の3種類の栄養素が主に含まれるものです。

肥料は大きく有機肥料化学肥料に分けられます。有機肥料は土のなかで微生物に分解されてから植物に吸収されるので、効果が穏やかです。一方、化学肥料はその名の通り無機質な原材料を化学的に合成したものですが、扱いやすくものによっては即効性があるといった違いがあります。

堆肥の種類は?

ひと口に堆肥といってもいくつかの種類があり、それぞれで効果、成分、作り方や使い方が異なります。育てる植物の種類や土壌に合わせて使い分けることが大切です。堆肥の種類の中でも代表的で、扱いやすいものを植物性と動物性の2つの観点からまとめます。

植物性堆肥

植物性の堆肥は植物を成長させる肥料分が少ないかわりに、炭素をよく含むので土壌を改良する性質が強いです。土全体の通気性や保水性がよくなることで、柔らかく植物が育ちやすい土壌ができあがります。代表的なものは以下のものです。

  • 腐葉土(落ち葉堆肥)
  • ワラ堆肥
  • バーク堆肥
  • もみ殻堆肥

動物性堆肥

植物性の堆肥対して動物性の堆肥は土壌を良くすると同時に、植物の成長を促進させる効果があります。リン酸、カリウム、窒素といった栄養分を多く含むので肥料のようにも使われます。ふんとして使われる家畜の種類によって、その効果や持続性もそれぞれで差があります。

  • 鶏ふん堆肥
  • 牛ふん堆肥
  • 豚ふん堆肥
  • 馬ふん堆肥

種類別 堆肥の効果・成分と作り方【植物性堆肥】

植物性堆肥は落ち葉など身近にあるものでも作成できるため、家庭でも作れます。植物性堆肥それぞれの成分、効果、作り方、使い方について説明します。

1. 落ち葉堆肥(腐葉土)



■ 成分
窒素が多く、リン酸やカリウムをやや含む

■ 効果
植物性の堆肥のなかでももっとも有名かつ、使用頻度も高いものがこの腐葉土です。広葉樹の落ち葉を、土などを間に重ねながら積み重ねて、微生物が増えるように発酵させたものになります。土の保水性や排水性を高め、野菜に大切なミネラルも豊富に含みます。また保肥性という肥料を保つ性質もあり、植物を育てる土作りには欠かせません。

■ 作り方
腐葉土は購入もできますが、自作することも簡単にできます。自然状態ではゆっくりと微生物やバクテリアが分解しますが、人工的に作れば2ヶ月ほどでできます。作り方としては地面に穴を掘り、そこに落ち葉などを流し込みます。そこに雨よけのブルーシートを敷いて重石を置き、発酵するのを待ちます。定期的に混ぜながら落ち葉が粉々になるまでになったら完成です。あまり葉っぱが乾きすぎていると良くないので、適度に湿らせておいてください。落ち葉と落ち葉の層の間に土と米ぬかなどで薄い層を作ると、発酵が進みやすくより早く良質な腐葉土ができます。自宅に庭がなく穴を掘れない場合でも、水と空気が抜ける穴を開けたバケツやビニール袋などでも代用できます。

■ 使い方
腐葉土は「土」とついていますが、主成分は土でなく落ち葉です。そのため単品では使わず土と混ぜて使います。一般的な草花を育てる場合には赤玉土などの用土と腐葉土を「赤玉土6割~7割に腐葉土を4割~3割」くらいの配合でまぜます。通気性や水持ちがよく微生物も豊富な土ができあがります。あまり腐葉土が多すぎると通気性などが良すぎるために悪いこともあるので注意してください。また保温効果もあるので、冬場に土の表面を覆うことで防寒対策にもなります。多くの野菜、果物、花といった植物全般の栽培に使います。

2. わら堆肥



■ 成分
窒素、リン酸、カリウムを微量含む

■ 効果
水稲には「けい酸」という成分を多く含みます。畑などに撒くことでけい酸が豊富な土壌になり、植物が病害虫などに強くなります。

■ 作り方
稲のわらを山のように積んで発酵させることで作成できます。ある程度の高さがないと内部の温度が高まらないために、発酵が進みにくいです。稲わらはやや入手が難しいですが、近所に農地などがあれば使われていないものがあるかもしれません。稲わらを20cmくらい積み、その上に水と油かすや酵素を含む米ぬかなどを撒きます。その上にまた稲わらを積んでをサンドイッチのように重ねを繰り返し、雨に濡れないようにビニールシートをかぶせます。1、2週間おきに水や米ぬかを混ぜながら全体を空気が入るように切り返していくと発酵が進みます。2ヶ月ほどで完成します。

■ 使い方
発酵が完成したわら堆肥は畑に撒き、すき込むことで使います。土壌が肥沃になります。

3. バーク堆肥



■ 効果
「バーク」とは樹の皮の部分であり、これを発酵させたものがバーク堆肥です。バークは軽く通気性と保水性があるため、これを混ぜることで土が柔らかくなり土壌全体も通気性や保水性がよくなります。

■ 作り方
粉砕機などで砕かれた樹木のバークに米ぬかや尿素などを加え、定期的に切りかえして全体を混ぜながら発酵を進めます。個人では大量のバークを入手するのはやや難しいですが、板で作った木枠のなかで発酵を進めるなどの手段で家庭でも作成できます。

■ 使い方
バーク堆肥が土全体の20%~30%になるように、土に混ぜ込みます。バークは炭素率が高くい資材です。あまり入れすぎると微生物による炭素分解時に窒素が奪われてしまい、植物が窒素不足になってしまう可能性があるので気をつけてください。

4. もみ殻堆肥


■ 効果

「もみ」はイネの果実を包む殻のことです。もみ殻堆肥を使うことで、通気性や水はけがよくなり土がふかふかになります。土壌を改良する効果は高いものの肥料は少なめで、あまり肥料は加えたくないときなどにも使えます。

■ 作り方
もみ殻に米ぬかなどを発酵促進剤として加えて、発酵させたものがもみ殻堆肥です。窒素分が少ないために、鶏ふんなどを加えて補うこともあります。もみ殻をしきつめた上に米ぬかや鶏ふんを薄く撒き水を加え、その上にまたもみ殻をしくという層状に積み重ねていくことで発酵を進めます。定期的に切り替えして混ぜながら数ヶ月待てば出来上がります。

■ 使い方
もみ殻堆肥を混ぜ込んで土を耕すと、土の通気性が高まり土壌が柔らかくなります。

まとめ・植物性堆肥の基本をおさえよう

土の通気性を高め、水や空気の通り道を作ってくれる堆肥。今回は植物性堆肥の種類やその特徴、作り方について解説していきました。植物の生長に理想的な土づくりを目指して、堆肥の基本をおさえましょう。

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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