NTTアグリテクノロジー、台湾における「遠隔営農支援システム」の実証結果を報告

株式会社NTTアグリテクノロジーは、台湾・國立宜蘭大學(以下、宜蘭大學)およびThroughTek Co., Ltd.(以下、TUTK)と連携し、生産者が遠隔地にいる指導者から栽培の支援を受けることができる「遠隔営農支援システム」を活用した実証実験を実施した。


特産の三星ネギは地域平均を約10%上回る収穫量に


NTTアグリテクノロジーは、2024年9月23日に宜蘭大學およびTUTKと三者間でMOU(基本合意書)を締結し、農業課題の解決に向けたスマート農業の実証を進めてきた。これまでの取り組みでは、新規就農者を中心に、ねぎやマスクメロンを対象とした「遠隔営農支援システム」の実証を行い、以下の成果を確認している。

・三星ネギ(2024年12月~) :生育異変の早期発見、収穫時期判断の高度化、指導者の移動時間削減などの効果を確認
・マスクメロン(2025年4月~):実証区において収穫重量が非実証区の約150%となり、栽培指導の効率化を確認

これらの成果を踏まえ、今回の取り組みでは検証対象を実際の農業従事者へと拡大し、新規作物の栽培に対して遠隔営農支援システムがどの程度生産性向上に寄与するかを検証した。

同実証は南澳の宜蘭大學が保有する温室にて行われ、実際の農業従事者が遠隔営農支援システムを活用しながら、栽培経験のないいちごおよび宜蘭の特産である三星ネギの栽培に取り組んだ。これらの作物は栽培に関する専門家の助言に基づき実証対象として選定されたもので、比較的高い市場価値を有しており、農業従事者の収入向上が期待される。

【三者の役割】
宜蘭大學:農業従事者の選定・指導者の派遣・栽培指導、温室の提供
TUTK:IT技術支援
NTTアグリテクノロジー:遠隔営農支援システムの提供

実証温室の様子

栽培中の様子

実証を行った結果、いちごは収穫量約99kg/aと宜蘭県の平均と同等の収量が得られた。また三星ネギは1株あたり平均331gと、宜蘭県の平均である約300gより約10%上回った。いずれも、農業従事者が栽培未経験であったにもかかわらず、地域平均と同等またはそれを上回る生産成果が得られた。

指導者側の効果としては、 現地往復1回あたり約180分の移動時間を削減。また、手元で栽培指導に関する資料を参照できるため、効率的かつ質の高い指導を実現。農業従事者側の効果としては、指導者への相談が容易となり、新規作物栽培の成功確度の向上が確認できた。

今回の実証により、遠隔営農支援システムを利用することで対面指導が難しい地域にも専門指導を提供できること、栽培未経験であっても、高単価作物を栽培できるレベルまで支援できることが確認された。これらの成果は、地域農業における収益性の向上や担い手の確保・拡大に向けた新たな可能性を示している。

NTTアグリテクノロジーは今後も、大学・行政・農業従事者との連携を深め、現場で求められる支援のあり方や、遠隔営農支援システムが有効に活用できる領域を検討していく。


株式会社NTTアグリテクノロジー
https://www.ntt-agritechnology.com/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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