農林水産省、2020年度「農薬危害防止運動」を6月1日からスタート

農林水産省は、厚生労働省、環境省と共同で、農薬の安全かつ適正な使用や保管管理、環境への影響に対する配慮等を呼びかける「農薬危害防止運動」を、2020年6月1日から開始する。

同運動は上記の3省ほか、都道府県や保健所の設置市、特別区が主体となって実施する予定で、運動期間を2020年8月31日までの3カ月間としている。



2020年度のテーマは「農薬は周りに配慮し正しく使用」


「農薬危害防止運動」は、農薬の使用に伴う事故・被害の防止について、農林水産省などの実施体が安全な使用や周辺環境への配慮などの呼びかけを行う推進運動だ。

2020年度のテーマは「農薬は周りに配慮し正しく使用」。
農薬を使用する機会が特に増えるという6月から8月に、安全な使用方法や周辺環境への飛散防止等を呼びかける。

出典:農林水産省https://www.maff.go.jp/j/press/syouan/nouyaku/attach/pdf/200515_22-2.pdf

農林水産省や環境省では、農薬の適正な使用方法や公園・街路樹等における病害虫・雑草管理等についてガイドラインを示しているが、周辺環境への悪影響や誤った使用法など、農薬の使用に伴う被害や事故は後を絶たない状況という。

同運動では、農薬およびその取扱いに関する正しい知識の普及を目的に、啓発ポスターの配布ほか新聞・インターネット媒体への掲載、適正使用・販売へ向けた指導、有用生物や水質への影響低減に向けた関係者との連携が予定されている。

事故や健康被害が多く発生しているという土壌くん煙剤等の適正な管理方法や、ボトルや袋に記載されている使用基準の確認および施錠による保管の徹底を重点項目としており、運動中に実施した活動や取り組みについては後日検証も行うそうとのこと。

さらに今回の運動では、農薬用マスクや保護メガネの着用の徹底、農薬の空中散布に使用される無人小型ヘリコプターやドローンの安全な使用についても注意喚起を行う考えを示している。

農林水産省および実施体では今回の運動について、「新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に十分配慮し、密閉空間、密集場所、密接場面を避けて実施する」と指針を示した。


「令和2年度 農薬危害防止運動」の実施について|農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/press/syouan/nouyaku/200515_22.html
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    さとうまちこ
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    北島芙有子
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    川島礼二郎
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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