八幡平スマートファーム、未活用ハウスをIoT次世代施設園芸として再生

株式会社八幡平スマートファームは、地熱を活用した熱水ハウスを再生する岩手県八幡平市との企業立地協定に基づき、高石野施設野菜生産組合の承継により、2ヘクタールの未活用ハウスをIoT次世代施設園芸へ転換。第一歩として再生した熱水ハウス12棟の竣工式および栽培した「温泉バジル」の初出荷式を6月11日に実施した。


地域資源とIoT技術の融合

高石野施設野菜生産組合は、十和田八幡平国立公園の麓で1966年に日本初の商業用地熱発電所の運転開始と、1984年より熱水ハウスの手法で施設野菜団地に取り組んできた。

近年、熱水ハウスは高齢化による離農や施設の老朽化の問題もあり、未活用の施設が多くあった。そこで、持続かつ発展的に農業経営ができる人材を都心から地方へ呼び込み、さらには新規就農者向けIoT技術の習得支援の場としても機能するように構築したいと考えた。

高石野施設野菜生産組合の臨時総会で、熱水を利用した先進的な農業に取り組んだ八幡平松尾寄木の地権者の思いや歴史を、事業承継によって八幡平スマートファームが引継ぐことが決定。第一歩として、高石野団地の2ヘクタールの未活用ハウス50棟のうち、12棟をIoT次世代施設園芸へ転換する。


今後は、12棟のバジル栽培ハウスを中心として事業展開を進め、農業体験や観光農園施設として東洋製罐グループアグリと共同研究を行い、イチゴやレタス実証栽培の成果を通して、農業分野、観光分野、地域社会との融和、協調に努め、熱水ハウス50棟をIoT次世代施設園芸として転換拡大していくことを目指す。

八幡平市ホームページ
https://www.city.hachimantai.lg.jp
株式会社八幡平スマートファーム
http://smartfarm.co.jp
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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