手持ちの農機に後付け可能な「FJD農機自動操舵システム」で田んぼの畔塗作業を実施

株式会社セキドの販売代理店で農業機械の販売・修理事業や自動操舵システム導入サポート事業を展開する株式会社トミタモータースは、「FJD農機自動操舵システム」を取り付けた中古トラクターを使用して田んぼの畔塗り作業を実施した。




畦塗り作業は、田んぼの貯水機能を維持する重要な作業だが、丈夫できれいな畦を整形していくためには、畔に対してトラクターを平行に走行させる高い技術力と約0.3km/hの低速で長時間操縦する体力が必要なことで知られている。

農業機械専用の後付け自動操舵システム


今回の畔塗り作業で使用された「FJD農機自動操舵システム」は、FJDynamics社が開発した農業機械専用の後付け自動操舵システム。

FJD農機自動操舵システム

自動操舵システム取り付け後の車内状況

特長は、RTK-GNSS方式の測位システムと自社開発の高精度ステアリングモーターの2点で、業界最高水準の誤差である±2.5cmの操作精度を実現している。

製品の特長は以下の通り。

1.コントローラー
10.1インチタッチパネル式高輝度ディスプレイ搭載。
機材や作業経路の設定や制御、作業履歴を記録・表示する。

2. 電動ステアリングハンドル
制御ユニット(コントローラー)の情報から自動ハンドル操作を行う。
手動操作への切り替えも可能。

3.慣性計測装置(IMU)
坂道での作業中でも精度を保つ高レベルな慣性情報を提供。
衛星電波が弱い時は、補正データを取得して作業を継続的に行うことができる。

4.RTK-GNSSアンテナ
衛星からの電波および基地局やネットワークからの補正情報を受信する。

5.RTK基地局(オプション)
GNSSユニットの誤差を補正し、センチメートル単位の精度を実現。
ネットワークRTK対応・simスロット搭載・Wi-Fi対応。

6.Wi-Fiカメラ(オプション)
農機周辺の状況をリアルタイム確認しコントローラーに送信。
作業の安全性を向上する。

7.ホール型角度センサー(オプション)
低速モードでの走行時に慣性情報を提供するセンサー。
時速0.1~0.7kmでの走行に対応する。


セット内容
販売価格は99万円(取付費用込み)からで、トラクターや田植機、コンバイン、移植機など、国内外のメーカーが開発したさまざまな新旧機種に対応するほか、トミタモータースが畦塗作業に使用した時速0.1~0.7kmの超低速走行を可能にする別売りのホール型角度センサーも用意している。

畔塗作業に対応する別売りのホール型角度センサー

参考動画:FJD農機自動操舵システム簡単操作方式

水稲栽培の作業の中でも特に高い技術が求められる畦塗り作業を自動化することで、農業人口の減少や高齢化、担い手不足など、日本の水稲栽培が抱える課題を解決したい考えだ。

製品概要


品名:FJD農機自動操舵システム
時速:0.7~18km
価格:99万円(税込)から※取付・サポート手数料込み


株式会社セキド
http://www.sekido.com/
株式会社トミタモータース
http://tomitamotors-nouki.com/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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