民間企業9社とロールモデル農業者100名が織りなす「農業の魅力発信コンソーシアム」がさらに拡大 JALとANAあきんどが新規参画

農林水産省補助事業を活用して、活躍する農業者を通した“職業としての農業”の魅力を発信することを目的とした民間企業が集結したコンソーシアム「農業の魅力発信コンソーシアム」に、日本航空株式会社(JAL)とANAあきんど株式会社が参入することを発表した。

これで参画企業は9社となり、ロールモデル農業者は100名超に及ぶ。参画企業による情報発信や、マスメディアへの情報提供などを行っていく。


「農業の魅力発信コンソーシアム」とは


「農業の魅力発信コンソーシアム」は、農業の後継者不足という課題に対して、ロールモデルとなる全国の生産者の魅力を伝えていくことで、農業に関心を持つ若手を増やしていくことを目的として、2022年に発足した。

これまでの参画企業7社

  • 株式会社おてつたび:農業バイトと旅を掛け合わせたマッチングサイト『おてつたび』を運営
  • 株式会社ビビッドガーデン:産直通販サイト『食べチョク』を運営
  • 株式会社第一プログレス:移住雑誌『TURNS』を発行
  • 株式会社マイナビ:『マイナビ学生の窓口』・『マイナビ農業』等を運営
  • 株式会社フルハウス:総合PR会社
  • 株式会社マイファーム:農業学校『アグリイノベーション大学校』等を運営
  • YUIME株式会社:一次産業の課題解決プラットフォーム『YUIME Japan』等を運営


「農業の魅力発信コンソーシアム」の取り組み


コンソーシアムの目的


現在、農業界では、農業従事者の減少や高齢化が急速に進行しており、農家子弟だけでなく、これまで農業には縁の無かった方も農業に呼び込んでいくことが課題となっている。

「農業の魅力発信コンソーシアム」には、新たに農業に参入する若者を確保するためには、「実際に農業現場で活躍している農業者の生の姿を伝え、潜在的に農業に関心のある人たちに訴求していくことが重要」という共通の意識を持つ企業が結集した。

農業と生活者の接点となるサービスを提供している企業、就活生や移住希望者とのネットワークを有している企業等が連携・協力して、これまで農業とは縁がなかった方が、新たに「職業としての農業の魅力」を感じることが出来る機会を創出する取り組みを行っていく。

コンソーシアムの活動内容


1.「ロールモデルとなる農業者」をリストアップ
農業の現場には今、従来の生産するだけの農家ではなく、農業をビジネスとして捉え取り組み、成功している若手農業者が多く存在しており、高収入、自分らしいライフスタイル、ユニークな作物の生産・販売など、その方々はそれぞれの目標を達成し、更なる目標に向かってイキイキと農業に取り組んでいる。

本コンソーシアムでは、各社のネットワークと視点から、若者にとって「ロールモデルとなる農業者」をリストアップする。

2.参画企業が連携した情報発信等
参画企業のリソースを相互活用したイベントやメディア・SNS発信等を通じて、若者が「ロールモデルとなる農業者」の姿に触れ、若者が農業を魅力ある職業であることを実感できる機会を創出する。

3.マスメディア等への情報提供・取材協力
「ロールモデルとなるような農業者」の取組やライフスタイル等の特徴を取りまとめ、メディアに情報提供すると共に、メディアのニーズに応じた農業者の紹介、取材アレンジ等の制作協力を行う

オブザーバーの活動内容

1.参画企業との打ち合わせにおける助言
コンソーシアム全体ミーティング、及び参画企業との個別ミーティングに参加し、コンソーシアムや参画企業が計画している取り組みが若者の興味喚起に向けてより有効に働くための助言を行うとともに、新たな取り組みの起点となるアイデア等を提供する。

2.イベント等の取り組みへの参加
コンソーシアムや参画企業が実施するイベントやコンテンツに参加・出演し、若者等と農業者、またはマスメディア等と農業者との架け橋として、職業としての農業の魅力を発信するためのサポートを行う。

3.ロールモデルとなる農業者の推薦
自らのネットワークを通じて、若者の憧れや目標の対象となりえる農業者を推薦する。

新規参画企業からのコメント


日本航空株式会社(JAL)



JALグループでは人流や商流・物流における新たな流動の創出を通じた地域活性化に取り組んでいます。中でも農業を起点とした活性化、地方と都会を混ぜ合わせる活動には力を入れていきたいと考えており、これまで地方移住や就農に関心のある方々を対象とした短期農業研修「JAL農業留学」等に取り組んできました。

本コンソーシアムでは参画企業の皆さまとともに農業の魅力をより多くの人々に知ってもらい、就農人口の増加を通じた地域活性化の一助となるよう取り組んでいけたらと考えています。(日本航空株式会社 地域事業本部長 本田俊介氏)

ANAあきんど株式会社



私たちANAあきんど株式会社は地域の皆様、お客様、そしてANAグループの「三方よし」を実現するというミッションのもと、全国33支店の拠点を活かし、地域創生事業に取り組んでおります。具体的には産業・農業振興をはじめ、ワーケーション・インバウンド等の地域への誘客事業、ふるさと納税サイトの運営等々を通じ、関係人口・交流人口の拡大を目指しております。

農業に関しては、認知不足・後継者不足による耕作放棄地等の諸課題を解決すべく、地域の農産物を加工したデザートの機内食提供や収穫ツアーの造成等、当社グループの持つアセットを活かした課題解決を行っております。今回のコンソーシアムでは、参加企業の皆様と日本の誇る農業の魅力や素晴らしさをより間近で感じ、多くの方々に発信できればと考えております。(ANAあきんど株式会社 地域創生部長 池田暢也氏)
https://www.ana-akindo.co.jp/

これまでの活動


AGLIVEDAY


ロールモデル農業者から新規就農を考える方々への具体的な就農時のエピソードやその歩みを伝える参加型オンラインイベント『AGLIVE DAY』を開催、学生・農家・就農希望者など70名以上が参加した。「若手×女性」「第三者継承」「SDGs農業」「農福連携」「農業体験教育」など多様なロールモデル農家から、自分らしい農業を聴き、参加者も交えてアウトプットする「企画会議」も行い、そこから生まれた出会いや、アイデアが自走しながらすでに次の新しいプロジェクトに進んでいる。

〈イベントから生まれたプロジェクト〉
  • ROSE LABO×浅小井農園×学生団体によるSDGs活動プロジェクト
  • 百生一輝×大学関係者による農業が心身に与えるデータ収集プロジェクト
  • あんばい農園×参加者の作業・農体験学習のお手伝い
URL:https://myfarm.co.jp/times/agliveday/


食べチョクおてつたび


・学生がロールモデル農業者の下で農業を経験する『食べチョクおてつたび』を開催。これまで千葉、石川、佐賀、沖縄など全国5軒のロールモデルとなる農業者のもとで「食べチョクおてつたび」を実施し、10名の農業に関心を持つ学生が参加。それぞれの生産者のこだわりや農業に対する思いを、働きながら感じてもらうことで農業の魅力発見の場を提供しました。

マイナビ学生の窓口


3月末開催の「食べチョクおてつたび」を取材し、農業体験を通して感じた職業としての農業の魅力や、ロールモデル農業者が語る就農エピソードや農業の魅力を伝える記事を掲載し、就農潜在層の若年層へ就農を身近に考えるきっかけを提供した。

記事第1弾:https://gakumado.mynavi.jp/gmd/articles/59046
記事第2弾:https://gakumado.mynavi.jp/gmd/articles/59150

マイナビ農業連載記事「若者の農業回帰」


農業情報サイト『マイナビ農業』では連載記事「若者の農業回帰」にて、農業に興味を持ち始めている方々の参考となるようなコンテンツを掲出。第一弾として、『マイナビ農業』では「食べチョクおてつたび」のレポート記事を掲載。
https://agri.mynavi.jp/2022_05_31_192829/

また、ロールモデル農業者の就農エピソードや各農業者が考える農業の魅力をインタビュー記事として随時掲載している。っd
URL (ページ下部):https://yuime.jp/nmhconsortium/


今後の取り組み予定


『食べチョクおてつたび』の実施


島根県邑南町 「和(なごみ)ファーム」戸津川良さん
夫婦2人で小規模ながらも持続可能な農業を推進


戸津川 良さん
1976年島根県浜田市生まれ。前職小売流通にて農産バイヤーや販売企画を約20年経験。第一次産業の未来に危機感を覚え何が出来るかを模索し、就農を決意。「ありのまま」「やさしい」をコンセプトに「すっぴんやさい農家の育てるべっぴんやさい」として、夫婦2人で小規模ながらも持続可能な農業を推進していくため、現在管理面積80aで自然栽培(畑には肥料・農薬を施さない)を選択し、身体も心にも優しい野菜作りを目指している 。

実施日:7月18日(月) ~ 7月22日(金)
内容:収穫ピークを迎えた夏野菜を収穫~食べチョクからの注文の発送作業販売など
イベントページ:https://otetsutabi.com/plans/1259
食べチョクページ:https://www.tabechoku.com/producers/20485

長野県 安曇野市 「安曇野ファミリー農産」中村隆一 さん
2年連続 食べチョクアワード果樹1位、幻の林檎“ピンクレディ”を生産


中村 隆一さん
1994年長野県安曇野市生まれ。日本農業賞天皇杯を受賞したリンゴ栽培の第一人者を祖父に持つ農家に生まれ、大学在学中の20歳で、父と祖父が病気で倒れたことをきっかけに、就農を決意。大学卒業後は米ワシントン州、ニュージーランドの大規模農場で研修。帰国した2020年から実家の農業生産法人に入社し、農協への出荷に加えて、直販サイトへ販路を拡大。2020年の食べチョクアワード総合1位、2021年度も果樹部門で2年連続1位を受賞するなどユーザーから高い評価を集める。

実施日:8月15日(月) ~ 8月23日(火)
内容:夏りんごの収穫、食べチョクからの注文の発送作業
イベントページ:https://otetsutabi.com/plans/1288
食べチョクページ:https://www.tabechoku.com/producers/21528

栃木県 大田原市 「YOZE FARM」後藤啓介さん
脱サラして農家を継承。新たに土づくりからこだわりアスパラを生産


後藤 啓介さん
1984年栃木県大田原市生まれ。大学卒業後は、企業に就職して海外赴任中の2013年、父が前立腺の末期がんを患ったことがきっかけで、翌年退職。31歳であとを継ぐのと同じタイミングで新規でアスパラガスの栽培を始め、JA経由の市場出荷と並行し直販サイトを利用し販路を拡大。アスパラガスはSDGsへの配慮もし、食品残差などを主とした有機質肥料を中心に育て、できるだけ鮮度の良い状態で、お届けするため、朝採りの新鮮な状態をすぐに冷却し、最短で翌日にはお届けするスタイル。

実施日:8月下旬実施予定
内容:アスパラ収穫や選別、雑草抜き、食べチョクからの注文の発送作業など
食べチョクページ:https://www.tabechoku.com/producers/20262

移住雑誌『TURNS』企画 「ー農業をはじめるー 農家の新星」


移住雑誌『TURNS』にて、移住×農業を軸に「ー農業をはじめるー 農家の新星」というテーマで農家のインタビュー記事を6月20日発売号から毎号掲載。農業をはじめたきっかけから、農ビジネスのイロハまで、分かりやすく紹介する。

掲載予定号:
TURNS Vol.53(6月20日発売)
TURNS Vol.54(8月20日発売)
TURNS Vol.55(10月20日発売)
TURNS Vol.56(12月20日発売)
TURNS Vol.57(2月20日発売)


『マイナビ農業』連載記事「若者の農業回帰」

農業情報サイト『マイナビ農業』では連載記事「若者の農業回帰」を展開。具体的には、今春に農業学校の門をたたいた元プロ野球選手を始め、就農という夢に向けて歩みを進めた若者たちの姿を紹介。さらには既存の農業ビジネスを進化させた取り組みを手掛けるロールモデル農業者を取り上げる予定。


農業の魅力発信コンソーシアム 概要

正式名称:農業の魅力発信コンソーシアム
参画企業:ANAあきんど、おてつたび 、第一プログレス、日本航空、ビビッドガーデン、フルハウス、マイナビ(コンテンツメディア事業本部、農業活性事業部)、マイファーム(企業名50音順)
事務局:YUIME株式会社
活動内容:
・若者にとってロールモデルとなる農業者の選定・情報発信
・職業としての農業の魅力を知るきっかけとなるイベントの企画と実施
・メディアに向けたロールモデルの情報提供と取材協力


農業の魅力発信コンソーシアム
https://yuime.jp/nmhconsortium/
ANAあきんど株式会社
https://www.ana-akindo.co.jp/
株式会社おてつたび
https://otetsutabi.com/
株式会社第一プログレス(TURNS)
https://turns.jp/
株式会社マイナビ(マイナビ農業)
https://agri.mynavi.jp/
株式会社フルハウス
https://www.fullhouse.jp/
株式会社マイファーム
https://myfarm.co.jp/
YUIME株式会社
https://yuime.co.jp/index

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WRITER LIST

  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
  4. 鈴木かゆ
    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
  5. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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