英国、放射性物質による日本産食品の輸入規制を撤廃 残るは13カ国に

農林水産省は、英国による日本産食品に対する放射性物質輸入規制が、2022年6月29日(水)に撤廃されたと発表した。


英国の輸入規制は、6月25日(土)にスコットランド議会、6月29日(水)にイングランド議会およびウェールズ議会において、規制を撤廃するための法案が成立。これにより、英国で適用されていた日本産食品に対する放射性物質輸入規制が、北アイルランドを除き、撤廃された。北アイルランドについては、英EU間の合意に基づき、EUによる日本産食品に対する放射性物質輸入規制が適用されている。

また、6月28日(火)に行われた日英首脳会談では、英国ジョンソン首相から輸入規制の撤廃について発言された。

各国・地域の輸入規制の状況(2022年6月現在)


2011年の福島第一原子力発電所の事故後、55の国・地域が日本産食品の輸入規制を導入。今回の英国の規制撤廃により、規制を維持しているのは13カ国・地域まで減少した。

2021年の英国向け農林水産物・食品の輸出額は72億円(世界第18位)で、主な品目はアルコール飲料、ソース混合調味料、醤油などとなっている(出典:財務省貿易統計)。

今回の撤廃では、放射性物質検査が必要とされてきた福島県をはじめとする地域のきのこ類、水産物や山菜類の一部などの規制が解除された。

上記規制の撤廃を含む諸外国・地域の規制内容は、以下の農林水産省のウェブページに掲載されている。

東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う諸外国・地域の輸入規制への対応|農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/export/e_info/hukushima_kakukokukensa.html
撤廃された英国の放射性物質輸入規制の概要
https://prtimes.jp/a/?f=d52804-20220629-24d4e97cc00af80f885e2c192c374686.pdf

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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