スタンデージとスペースシフト、ナイジェリアにおけるマイクロファイナンスサービス提供に向け実証開始

株式会社STANDAGEは、株式会社スペースシフトと共同で、令和5年度補正「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(我が国企業によるインフラ海外展開促進調査)」に採択されたと発表した。ナイジェリアにおけるマイクロファイナンスサービスの提供に向けた実証を開始する。


農地衛星情報を活用したマイクロファイナンスサービス提供へ


株式会社STANDAGEは、「すべての国が、すべてのモノに、平等にアクセスできる世界の実現」をビジョンに掲げ、ブロックチェーンとステーブルコインを活用した新貿易決済システムの開発を行う企業。ナイジェリアをはじめアフリカ4カ国に拠点を設置し、対アフリカ貿易事業を展開している。

株式会社スペースシフトは、「Sense the Unseen from Orbit (地球上のあらゆる変化を認識可能に) 」をテーマに、地球観測衛星から得られたデータにAIを用いて解析することで、多くの情報を引き出すためのソフトウェア開発を行う企業。インフラ管理、防災・減災、農業モニタリング、環境保全など、さまざまな分野に衛星データを活用することで、持続可能な社会の実現を目指している。

両社が採択された令和5年度補正「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」とは、南半球に位置するアジアやアフリカ、中南米地域といったグローバルサウス諸国が抱える課題を解決することを通じて、当該地域の市場の成長力を活かし、日本国内のイノベーション創出等により国内産業活性化を目指すとともに、グローバルサウス諸国との経済連携を強化するため、日本の企業が行うインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業および小規模実証事業の実施に必要な費用の一部補助を行うというもの。

ナイジェリアでは、人口の約半数程度が農林水産業に従事しているといわれているが、経済的な理由から農機等を購入することが困難であり、与信もないため銀行融資を受けることができない。その結果、手作業による非効率な農業を続けざるを得ず、貧困状態から抜け出せない悪循環に陥っているという。

この課題を解消するため、STANDAGEとスペースシフトは共同で、低所得者層の農家がマイクロファイナンスや貯蓄などの金融サービスを受けることを可能にし、効率的な農作業の促進と貧困緩和に寄与するサービスの構築に、2021年から取り組んできた。

今回は、農地衛星情報を活用した農家の与信管理による小規模農家向けのマイクロファイナンスサービスの提供に向けた実証を実施する。取り扱う農機の数を過去の実証の10倍程度に増やし、より大きな規模での有用性の確認を行う。

両社の役割は以下の通りだ。

STANDAGE
ナイジェリア農家に提供する農機・農業資材の調達、保管、共有およびアフターメンテナンスをはじめとするサプライチェーン全体の管理・管轄

スペースシフト
AI技術を活用した光学衛星及び合成開口レーダー(SAR)衛星から得られる画像の解析、および農作物の生育状況のデータ化

将来的にはキャッシュにより融資を想定しつつ、高品質な農業機械を生産時に提供もしくはレンタルすることで収量の増加を支援し、収量増から確実な与信という融資のサイクル実現を目指すとしている。


株式会社STANDAGE
https://standage.co.jp/
株式会社スペースシフト
https://www.spcsft.com/

令和5年度補正「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(我が国企業によるインフラ海外展開促進調査)」
https://gs-hojo-web.jp/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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