フェイガー、ベトナム国営農業機関NAECと覚書を締結、水田100万haでの脱炭素農業プロジェクトを推進

株式会社フェイガーは、ベトナム国営農業機関であるNAEC(NATIONAL AGRICULTURAL EXTENSION CENTER)と、ベトナム全土における100万haの水田プロジェクトを実施するための覚書(MOU)を締結したと発表した。この取り組みによって、農業由来のカーボンクレジット創出を通じた脱炭素農業の推進を目指すとしている


ベトナム全土における脱炭素農業の取り組みを加速


株式会社フェイガーは、日本初の農業由来カーボンクレジット創出に取り組むスタートアップ企業で、農業者への脱炭素支援とクレジット創出による収益化を行っている。2023年度には、日本国内で1500haを超える生産者と協力し、約6000tのカーボンクレジットを創出した。

東南アジアでは、温室効果ガス排出量を抑制する水稲作技術である間断灌漑技術「AWD(Alternate Wetting and Drying)」の導入による稲作の脱炭素化と、途上国等への優れた脱炭素技術等の普及や実施を通じて、協定国間の温室効果ガス排出削減に貢献する仕組みである二国間クレジット「JCM(Joint Crediting Mechanism)」によるクレジット化に取り組んでいる。

締結の様子

今回の取り組みは、ベトナム最大の国営農業機関であるNAECと協力し、2035年までにベトナム全土の100万haの稲作農家の脱炭素農業をサポートするというもの。東南アジア地域全体のカーボンニュートラル実現に向け、大規模な取り組みを行っていくという。


Thanh Phat社との共同での実証実験の様子

2024年6月には、Thanh Phat社(2024年1月にMOUを締結済み)が農業分野での事業運営を目的に新たに設立したINNO-AGRI社ともMOUを締結し、ベトナムにおけるプロジェクト実施体制を強化。Thanh Phat社とは、Long An省、およびNghe An省での実証実験を収穫まで終えており、実験結果のデータを基に質の高い脱炭素農業の実施に向けた取り組みを進めていくとしている。


株式会社フェイガー
https://faeger.company/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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