営農相談サイト「アグティー」がLINEでの相談を無料化 アドバイザーの収益化も視野に

株式会社井上寅雄農園は、農業スキルシェアサービス「アグティー」のウェブ版を改修し、LINEで気軽に農業相談ができるLINE LIFFアプリをリリースした。






LINEで気軽に営農相談


アグティーは悩みのある農家が全国にいるプロ農家や元農業普及指導員、農業経営コンサルなどのアドバイザーに自身の悩みを相談しチャットとビデオ通話で悩みを解決できるサービス。2022年8月現在、登録者は220名、アドバイザーは130名となっている。

同社によると、20代から60代の農業者・農業関連業者のインタビューで全員がLINEを利用していることが判明。ウェブでの利用を想定してきたが、LINEで農業の相談ができる環境を整えたという。

「LINE LIFFアプリ」はアプリのダウンロードは不要で、QRコードを読み取り公式アカウントから必要情報を入力して登録を行うのみという仕組みになっている。

相談は無料。アドバイザーが収益化できる仕組みも


「アグティー」は原則有料相談のシステムだったが、LINEでは原則無料相談。「若手農家に貢献したい」「自分も新規就農時に苦労したので手助けしたい」といったボランティア精神旺盛な方がアドバイザーとして多数登録しているためだという。

同時に、相談者からは「いきなりお金を払って指導を受けることに抵抗がある」「お金を払って相談して失敗したくない」などの意見もあり、まずは原則無料とした。

なお、アドバイザーのモチベーション向上、引退した農業者の収益源を確保する目的で、「おひねり機能」「定額相談」といった農業指導で収益を上げる仕組みも開発中。


農業関連の講師派遣、講師依頼の機能も


農業関連の団体などでは、「野菜部会」「トマト部会」「青年部会」といったさまざまな部会で、年に数回講師を招いた勉強会なども行われているが、部会員や農協職員だけのつながりでは講師を招聘できないこともある。そのため、アグティーアドバイザーに対して講師依頼ができる機能も追加した。価格は暫定的に、現地講演が3万円(交通費は除く)、ウェビナーが1万円、アドバイザー圃場視察が5万円となっている。

アプリの利用は4ステップですぐに相談できるとのこと。



アグティー
http://agrt.jp/

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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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