米原料のバイオマスプラスチック「ライスレジン」用米作りで、全国の耕作放棄地を活用

株式会社バイオマスレジンホールディングスは、バイオマスプラスチック「ライスレジン」の原料となるコメの作付けを全国に拡大する取り組みを開始した。


バイオマスレジンホールディングスは、食用に適さない古米や米菓メーカーなどで発生した破砕米を原料にしたコメ由来のバイオマスプラスチック「ライスレジン」を製造する企業。

新潟県(南魚沼市・三条市)と福島県(浪江町・飯館村)にある4つの圃場(合計約30ヘクタール)を使用して、「ライスレジン」の原料となるコメの生産や農業ドローンを活用した水田直播ITIoTを活用した水源管理、メタン抑制・農地炭素貯留を活用した低炭素農業に取り組んでいる。

現在は、福島県浪江町にある圃場を利用して、栽培効率の向上および省力化、高付加価値化にチャレンジしている段階で、単位作付面積あたりの収穫量が通常の1.5倍になる超多収品種の栽培や1回の田植えで稲を2回収穫できる再生二期作栽培にも成功している。

高付加価値な農業モデルの構築を目指し


今回、同社が取り組む内容は、全国にある水田や遊休地、休耕田を活用して、「ライスレジン」の原料となるコメの生産を300ヘクタールに拡大するもの。

目標期間は3年以内で、JAひがしかわ(北海道上川郡)やライスイズコメディ(滋賀県長浜市)、NPO法人MUKU(兵庫県淡路市)、モスファーム熊本(熊本県八代市)などが保有する水田・遊休地、休耕田など全国20カ所程度の圃場を対象にその検討が進められている。

同社は、日本の農業課題のひとつである耕作放棄地の拡大を止めることで、里山地域の国土保全機能の低下などを防止する高付加価値な農業モデルを構築していきたい考えだ。


株式会社バイオマスレジンホールディングス
https://www.biomass-resin.com/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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