AI潅水施肥システム「ゼロアグリ」、ナシとブドウの対応に向けて試験栽培開始

株式会社ルートレック・ネットワークスの開発するAI潅水施肥システム「ゼロアグリ」は、新たに果樹のナシ、ブドウの試験栽培を今年度より開始した。




ゼロアグリが果樹栽培でも実証実験


AI潅水施肥システム「ゼロアグリ」は、AIを活用し農作物の成長に必要な最適な水分量を算出し、水やりや肥料やりの作業を自動化するスマート農業システムだ。
2019年8月末時点では全国196台の導入実績があり、トマトやキュウリ、イチゴなどの果菜類を中心に導入が進んでいる。

昨年よりレモンやマンゴーなどの果樹栽培においても実証実験を始めているが、今年度より新たにナシとブドウ栽培における試験活用が始まった。


現時点の導入効果としては、茨城県立農業大学校のブドウハウスにおいては、1日に5回しなくてはならない夏場の水やりをほぼ自動化することができるなど、養水分管理による土の中の状態の見える化等が挙げられる。一方で今後の課題として、樹ごとの個体差に対応する適切な潅水量の調整等を解決していく必要があるということだ。

同社代表取締役社長の佐々木伸一氏は、今後の果樹栽培におけるゼロアグリの展開について、「高齢化が進む今、新たな担い手を育成するためにも、これまで経験と勘で行ってきた栽培技術を体系化し伝承していく必要があります。果樹栽培は、栽培技術が複雑化しており、これまでスマート農業技術があまり発展してきませんでした。ゼロアグリの改善と展開により、今後日本の果樹栽培の課題解決を図り、そしてアジアにおける果樹栽培へと発展していきたいと思います」と述べている。

<参考URL>
株式会社ルートレック・ネットワークス
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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