人工衛星による農作物推測AIアルゴリズムの開発で、bitgritがコンペ開催中

AI開発コンペティションサイトを運営する株式会社bitgrit(以下、bitgrit)は、スマート農業のスタートアップ、クライマゾーンラボと共同で衛星データを活用し、「農業の環境影響を減らす」というテーマでコンペティションを開催する。

農作物の種類推測で、さらなる効率化を


11月11日まで開催している同コンペティションでは、データサイエンティストに向けて、センティネルミッションという高画質人工衛星プロジェクトの画像を用いて農地を検出し、そこの作物の種類を推測するAIアルゴリズムを依頼。その結果に基づき、肥料や水などの大事な資源をより効率的に割り当てることができ、資源が足りていない地域にも分配可能となる。


同コンペを開催することにより、田畑や作物関連の情報収集・管理、および使用法に大改革をもたらし、農業においてデータに基づいた分析結果を導くことが期待される。優勝者には150米ドル、準優勝は75米ドル、3位は50米ドルの賞金が提供されるとしている。



bitgritのCEOであるフレデリック・ブスラー氏は、「スマート農業においてAIを使用することは、作物収量を高めると同時に資源消費も削減することができるため、10億人以上の人類への十分な栄養や浄水が足りていないこの世界で必要とされることが予測されます。要するに、今後食糧供給をするには革新的なソリューションが不可欠であり、AIはそれを可能とする技術でしょう」とコメントしている。


初回で開催した「犬の写真で犬種を推測する」コンペティションと比較し、今回は難易度が高くなっているが、現代の世界において重要なソリューションということは確かだ。南アメリカ・アマゾン熱帯雨林では、火災件数が昨年より8割以上増加しており、「環境を保護していく為に我々はどうするべきか?」という声が多くあがっている。

【コンペティション概要】

コンペティション内容:農地を検出し、そこの作物の種類を推測するAIアルゴリズムを募集
データセット:高画質Sentinel-2という人工衛星の画像データ
最大解答可能回数:15回
開催期間:2019年9月23日(月)~11月11日(月)
勝者発表:2019年11月中旬
コンペティションの詳細やエントリー方法については公式サイトを確認。

<参考URL>
株式会社bitgrit(英語)
クライマゾーン ラボ(英語)

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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
  4. 鈴木かゆ
    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
  5. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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