日本GAP協会、「JGAP」「ASIAGAP」の持続可能性を強化する「+SA」規格を策定

一般財団法人日本GAP協会は、JGAPASIAGAPの持つ持続可能性をさらに強力にする新たなアドオン規格「+SA」を策定した。

農業の持続可能性をテーマとした国際団体「SAI Platform」が運営する規格「FSA」との比較・分析を行い、JGAP・ASIAGAPに加えて「+SA」を実施することで、FSAのシルバーレベルに相当することが確認されたという。


世界レベルの持続可能な農業の基準に対応


日本GAP協会は、2006年に設立され、2007年から第三者認証の仕組みを持つJGAP(青果物、穀物、茶)の運用を行う組織。2017年にはJGAP家畜・畜産物やASIAGAPの運用を開始し、2018年にはASIAGAPが世界の主要な食品事業者が参加する国際食品安全イニシアティブの承認を取得している。

SAI Platformは、持続可能な農業を目指し2002年に設立された国際的な団体で、農協・製造業・小売業者などフードシステムに関わる幅広い業種から、170以上の組織が加盟している。

SAI Platformが提供するのが、持続可能な農業の実践をテーマとした評価システム「FSA(Farm Sustainability Assessment)」。一般的なGAP認証が要求する内容に加え、より詳細な水や土壌の管理、生産者が農地の権利を有しているか、人権を重視した労務管理がされているかの確認も行われる。

FSAが認証制度に類する評価の仕組みを持つだけでなく、他規格との比較・分析を行い改善につなげるベンチマーキングの仕組みを有しており、適合度はゴールド・シルバー・ブロンズの3段階で示される。

世界では多数の農業に関わる規格等が承認を受けており、ザ・コカ・コーラカンパニーにおける農産物の調達基準であるPSA(Principles for Sustainable Agriculture)の中にも、FSAのブロンズレベル以上のベンチマーキングを受けた規格との要求が含まれるという。

日本GAP協会は、農業に関する有力な認証制度がベンチマーキングを進めるなど、農業の持続可能性を主眼とするFSAへの世界的な支持が広がっていることを受け、JGAP・ASIAGAPにおいても世界の潮流に対応するため、ベンチマーキングに取り組むことを決めた。

現行のJGAP・ASIAGAPをベンチマーキングに対応させるため、不足点についてはFSAへの対応に特化した管理点を付加するアドオン規格としている。対応のレベルは、レインフォレストアライアンス規格、GLOBALG.A.P.が実現しているものと同じシルバーレベルになる。

このアドオン規格はひとつでJGAP・ASIAGAPのどちらの認証を取得している農場にも対応可能だ。


+SAを取得した農場は、持続可能性を表す+SA規格として、独自のロゴマークを適合証明書や宣伝資材、農産物の包装等に表示することができる。


アドオン規格の項目数は、JGAPで10項目、ASIAGAPで14項目とされている。審査については、JGAP・ASIAGAPの審査と同時に実施するという。

管理点の主な内容

1. 土地の利用権があることの確認
2. 透明な商取引の実施
3. 農業経営に関する法令の遵守
4. 販売に関する契約の締結
5. FSAが求める適正な農薬の使用
6. 労働者の適切な採用活動
7. 温室効果ガス低減への配慮
8. 周辺環境に配慮した肥料の取扱い 等

なお、審査員・指導員・農場に向けたオンライン研修を7月以降順次開始し、審査申込受付は11月1日から開始するとのこと。


一般財団法人日本GAP協会
 https://jgap.jp/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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