春の農作業安全確認運動がスタート テーマは「見直そう!農業機械作業の安全対策」

農林水産省は、農作業事故防止に向けた安全対策として「春の農作業安全確認運動」を2020年3月1日(日)にスタートした。期間は5月31日(日)までの3か月間。

今春の重点推進テーマは「見直そう! 農業機械作業の安全対策」で、農作業事故を減少させる取り組みが着実に実施されるよう、全国の関係機関の協力のもと運動の浸透・充実を図るとしている。

出典:令和2年春の農作業安全ステッカーデザイン|農林水産省

農作業安全確認運動は、農林水産省が農作業事故の防止に向けて行う安全強化運動だ。2017年時点で211件あったという農作業に係る死亡者数の半減を目標に、重点推進テーマに沿った各種運動を行う。

農繁期である3~5月と9~10月の年2回を活動期間とし、2022年までの3年間を活動の集中期間としている。

トラクターからの転落・転倒死亡事故の大幅減少を目指す


今春の運動では、死亡事故が特に多く発生しているという乗用型トラクターについて、シートベルトやヘルメットの着用を呼びかけ、転落・転倒死亡事故の大幅減少を目指す。

安全フレームやシートベルトが装備されていないトラクターの所有者には追加装備や買い替え等を呼びかけ、公道を走行する際に必要とされる灯火器等の設置も徹底する。

整備不良による事故防止も呼びかけ、日常的・定期的な点検・整備を励行していくほか、農業現場での安全利用や農業機械の安全設計も促進していく方針だ。

農作業死亡事故者数は年間300人以上で推移


農業就業人口が減少する中、農作業死亡事故者数は年間300人以上で推移しており、事故件数を減少させることは農業界全体の喫緊の課題となっている。
農作業死亡事故の減少を実現するためには、安全意識の向上や安全行動の呼びかけに加え、農業者個人および地域全体で強化していくことが重要だ。


農林水産省
https://www.maff.go.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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