AI潅水施肥システム「ゼロアグリ」の故障や盗難に対応する保険サービスがスタート

株式会社ルートレック・ネットワークスは、三井住友海上火災保険株式会社と連携し、12月1日より「ゼロアグリ動産総合保険」のサービスを開始した。

「ゼロアグリ」は、安価なパイプハウス栽培から活用できるAI潅水施肥システム。センサーより得た日射量と土壌環境情報にもとづき、独自の栽培アルゴリズム(AI)を用いて、必要な潅水施肥量を算出、自動供給を行うというもの。PCやスマートフォン等からリアルタイムに栽培状態を把握でき、「カンと経験」を反映した潅水施肥の調整も簡単に行うことができる。ゼロアグリの活用により、潅水施肥に関する90%の労働力削減、施肥量も慣行農法と比較して50%削減(同社比)、データに基づいた栽培技術の伝承等も可能となる。さらに、天候の変動や生育の状態に適した潅水施肥により、作物の根にかかるストレスをなくし、品質安定、収量向上にもつなげることが可能。

■ゼロアグリの紹介記事
ICTが農家に“休日”をもたらす?! 「ゼロアグリ」が取り組む農業改革

近年、ゲリラ雷雨の被害などが多発しており、気象庁の統計データによると、日本全国で季節を問わず雷が発生している。農業は自然を相手にする産業のため、雷を含む予測のできない事故等により、農作物のみならず、農業用機器も損害を受けることが想定される。

(出典:気象庁「雷の観測と統計」)

今回の保険サービスは、「ゼロアグリ」の導入後1年間、落雷や落下を原因とする故障等に対しても保険金が支払われることになり、実質的に無償で修理もしくは交換可能になるというもの(保険金額には上限あり)。ルートレックではこれまでも、「ゼロアグリ」について保証期間内の正常な使用で万が一故障等が発生した場合、無償での修理もしくは交換をしていたが、今回のサービス開始によって落雷や落下などに起因する故障、盗難にも対応することが可能になり、農業生産者にいっそう安心して「ゼロアグリ」を導入できるとしている。

■ゼロアグリ動産総合保険の概要
保険契約者:株式会社ルートレック・ネットワークス
被保険者 :農業生産者
保険の対象:ゼロアグリ一式
補償期間 :導入日から1年間
補償対象となる主な事故
・落雷
・落下
・盗難
・火災
・破裂または爆発
補償対象外となる主な場合:
・故意もしくは重大な過失または法令違反によって生じた損害
・風、雨、雪、雹(ひょう)もしくは砂塵の吹込みや雨漏り等による損害
・地震もしくは噴火またはこれらによる津波によって生じた損害
・日本国外で生じた事故による損害
・保険の対象の設置場所を変更した後に生じた場合

<参考URL>
ゼロアグリ
株式会社ルートレック・ネットワークス

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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