2018年産スマート米の残留農薬、 第三者検査機関の調査で「不検出」

AI・IoTビッグデータプラットフォームのマーケットリーダーである株式会社オプティムは、「スマート農業アライアンス」(※1)の取り組みのひとつである、「スマートアグリフードプロジェクト」(※2)の成果として福岡県・大分県・佐賀県にてピンポイント農薬散布テクノロジー(※3)を用いて栽培された米である「スマート米」を、第三者検査機関により検査した結果、残留農薬が「不検出」(※4)である検査結果となったことを発表した。


■「スマート米」とは
「スマート米」とは、「スマート農業アライアンス」の取り組みのひとつ、「スマートアグリフードプロジェクト」においてAIやドローンを使い、農薬使用量を抑えて育てられた、あんしん・安全なお米。今回栽培された「スマート米」は、福岡県・大分県・佐賀県にて「スマートアグリフードプロジェクト」に参加している生産者が管理する約15haの水田にて栽培を実施し、オプティムが特許を保有するドローンを用いた「ピンポイント農薬散布テクノロジー」農法を用いることで、削減対象農薬(※5)の使用量について最大100%減(※6)となる米の栽培を実現した(※7)。

◆今回栽培に参加した生産者(順不同、敬称略)
眞島 潤一
日高 清範
株式会社イケマコ
株式会社PlantFarmJapan
光吉農産
ユートク農産株式会社
有限会社岩石農産
真辺農園
酒井 勝洋
有限会社 豊後農興

▲検査結果証明書例

「スマート米」を検査した検査機関や検査方法は以下の通り。

◆検査機関
日本エコテック株式会社(食品衛生法・登録検査機関)

◆検査方法
● 対象となる各生産者の水田8カ所から300gの玄米を採取
● 各水田の玄米300gを1検体として、農薬(殺虫剤・殺菌剤・種子消毒剤・除草剤・箱材)131成分について検査

以下、農薬の中で「スマート米」栽培において削減した殺虫剤成分の検査結果を代表として記載する。

◆殺虫剤成分検査結果詳細(単位:ppm)
成分名 :テブフェノジド
測定値 :検出せず
定量限界値 :0.01
参考基準値(※8):0.3

成分名 :ブプロフェジン
測定値 :検出せず
定量限界値 :0.01
参考基準値(※8):0.5

成分名 :フルトラニル
測定値 :検出せず
定量限界値 :0.01
参考基準値(※8):2

成分名 :ジノテフラン
測定値 :検出せず
定量限界値 :0.01
参考基準値(※8):2

成分名 :トリシクラゾール
測定値 :検出せず
定量限界値 :0.01
参考基準値(※8):3

成分名 :フェリムゾン
測定値 :検出せず
定量限界値 :0.01
参考基準値(※8):2

成分名 :フサライド
測定値 :検出せず
定量限界値 :0.01
参考基準値(※8):1

その他の検査対象である、殺菌剤・種子消毒剤・除草剤・箱材の122成分についてもすべて「検出せず」の結果が出た。

▲AIによる解析イメージ

現在、ピンポイント農薬散布テクノロジーを活用し栽培された「スマート米」(さがびより、ヒノヒカリ、にこまる)は、2018年11月15日からオプティムが運営するオンラインストア「スマートアグリフーズ直送便(愛称:スマ直)」、2018年12月25日からAmazon、2018年11月27日から佐賀玉屋、2018年12月4日から福岡三越にて販売を行っている。今後もスマートアグリフードプロジェクトに参加する農家を幅広く募集していき、安心安全な農作物を作り出せるよう取り組んでいく。

◆販売価格
さがびより、ヒノヒカリ、にこまる共通で、300g:500円、2kg:2700円、5kg:5600円、10kg:1万100円(税別)。以下のWebサイトで販売中。
「スマートアグリフーズ直送便」Webサイト
Amazon「スマート米」販売ページ

■注
(※1)「スマート農業アライアンス」とは、AI・IoT・ビッグデータを活用して“楽しく、かっこよく、稼げる農業”を実現するべく、スマート農業を推進する取り組み。詳しくは以下のWebサイトを参照。
https://www.optim.co.jp/news-detail/25369

(※2)ドローン・AI・IoTを利用して「農薬使用量削減」を達成して、高付加価値がついた農作物の生産、流通、販売を行うプロジェクト。詳しくは以下のWebサイトを参照。
https://www.optim.co.jp/news-detail/25369

(※3)AIによって病害虫が検知された箇所のみにドローンを用いて、ピンポイントで農薬散布を行う農法。詳しくは以下のWebサイトを参照。
https://www.optim.co.jp/news-detail/40358

(※4)「不検出」とは、残留農薬検査において農薬成分の測定値が、定量限界値または検出限界値未満であることを示す。

(※5)農薬のうち、ピンポイント農薬散布によって削減できる殺虫剤および殺菌剤を「削減対象農薬」として定義。

(※6)削減対象農薬の使用量において、当該地域において例年行われている栽培方法での平均的な農薬使用量もしくは当該地域のJA(農業協同組合)に納品する際に守るべき目安となる農薬使用量の基準値と、ピンポイント農薬散布テクノロジーを用いて散布した農薬の使用量を比較。削減量については、今回は50%~100%減となったが、年度や地域で異なる場合がある。

(※7)ユートク農産株式会社ならびに有限会社 豊後農興は、農薬散布を1回実施したが、散布した農薬の成分は検出されなかった。

(※8)農産物を食べた人の健康が損なわれないよう、食品衛生法に基づき定められた農作物中の残留農薬の基準値。詳しくは以下のWebサイトを参照。
http://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_info/kizyun.html

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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