自律走行運搬ロボット「SUPPOT」の開発で、ソミック石川とマップフォーが提携

自律走行型の運搬ロボットを活用したサービス「SUPPOT(サポット)」を展開する株式会社ソミック石川と株式会社ソミックマネージメントホールディングスは、自動運転システムに使用される3次元地図や位置推定技術を開発する株式会社マップフォーとの提携を発表した。

今回の提携は、ソミック石川およびソミックマネージメントホールディングスが開発する自律走行型の運搬ロボットと、マップフォーが開発する3次元地図・自己位置推定技術の連携を目指したものという。3社は、静岡県浜松市で実施されているスマート農業実証プロジェクト「静岡県スマートみかん実証コンソーシアム」について、「自律走行型の運搬ロボットを果樹園用に改良して導入を進める」としている。

ソミック石川とソミックマネージメントホールディングスが開発する自律走行型の運搬ロボット

自動車部品メーカー ソミック石川


自動車の走行部に取り付けるボールジョイントや運転席等のシートに装着して衝撃を和らげるダンパー製品等の開発・製造を手がける自動車部品メーカー。提案から設計・開発・製造・出荷までのすべてを自社で行う「一貫生産体制」を構築する。

同社の主力製品であるボールジョイントは、人間で言うところの関節のような役割を果たす自動車の保安部品で、ステアリング系ほかサスペンション系などに使用される。

ソミックマネージメントホールディングスは、ソミック石川ほかグループ企業を統括するソミックグループの持株会社。
「人のつながりを大切にし、力いっぱいの努力で世の中の役に立ち、愛される会社となる」を理念に、事業領域・製品の新たな可能性に挑戦していくための最適な業務を推進する。


3次元地図や位置測定技術を開発する学生ベンチャー、マップフォー


自動運転システムに使用する3次元地図や位置推定技術を開発する名古屋大学発の学生ベンチャー企業。移動体の自己位置推定と環境地図作成を同時に実行するSLAM技術や推定理論に基づき最適な航法を実行する複合航法技術を強みに、3次元LiDAR(レーザー画像検出と測距)を用いた地図作成システムの提供ほか、複合航法システムの開発を進める。


重量物の運搬作業を自動化した運搬ロボット「SUPPOT」


両社が展開する「SUPPOT(サポット)」は、重量物の運搬作業など人間の筋肉に大きな負担を与える重筋作業と呼ばれる作業を自律走行ロボット用いて自動化するサービスだ。

2020年9月に開始されたテストマーケティングでは、ロボットを活用した業務効率化の研究を進める農業関連企業等を対象に、サービスの提供ほか実装に向けた共同研究が行われている。

 

「静岡県スマートみかん実証コンソーシアム」への導入を目指す


「静岡県スマートみかん実証コンソーシアム」は、ソミック石川およびソミックマネージメントホールディングスが参加するスマート農業実証プロジェクト。課題名は「中山間地におけるミカン経営の収益向上および省力スマート生産技術体系の実証」で、静岡県や浜松市、JA、生産者、機器メーカーらが参加する。

出展:農林水産省|スマート農業実証プロジェクト「静岡県スマートみかん実証コンソーシアム」
現地では、環境計測システム・青色LED照射・AI選果機等による収益の増加や各種ロボットおよび、AI選果機の活用による作業時間の削減を目標に実証が進められているという。

今回の提携では、自立走行型の運搬ロボットをプロジェクトに導入するための方法として、3次元地図や自己位置推定技術を連携させた果樹園向けの改良が予定されている。

ソミック石川、ソミックマネージメントホールディングス、マップフォーの3社は今回の提携を通じて、高度な自律制御システムを備えた運搬ロボットの開発を進めると同時にプロジェクトの達成に向けた取り組みを継続していく考えだ。


株式会社ソミック石川
http://www.somic.co.jp/
株式会社マップフォー
https://www.map4.jp/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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