農業の認証制度「JGAP」、国際的なサステナビリティ基準として評価

一般財団法人日本GAP協会は、同協会が運営する農業の認証制度JGAPについて、国際的なサステナビリティ(持続可能性)認証基準であるProTerra Standardとのベンチマークを実施。その結果、JGAPの基準がProTerra Foundation(以下、プロテラ財団)が定めるサステナビリティに関する要求事項と高い整合性を有していることが確認されたと発表した。

ProTerra FOUNDATION Managing Director Emese van Maanen、一般財団法人 GAP日本GAP協会 代表理事専務 荻野 宏

JGAPが国際基準に対応できる認証制度であることを確認


GAPとはGood Agricultural Practicesの頭文字を取ったもの。農産物を生産するうえで生産者が守るべき取り組みのことを指し、「良い農業の取り組み」と訳される。日本GAP協会が運営するJGAP/ASIAGAPは、食品安全、環境保全、労働安全、農場管理、人権の尊重、家畜衛生やアニマルウェルフェアの取り組みを基礎とした農場の認証制度だ。

近年、食品企業や流通企業では、原料調達におけるサステナビリティの確保が重要な課題となっている。そのため農産物の生産段階においても、サステナビリティへの対応が求められており、国際的にこうした取り組みを第三者認証によって確認する動きが広がっている。

今回実施したベンチマークは、こうした流れの中で、JGAPが農業における国際的なサステナビリティへの要求に対応可能な基準であることを示すものだ。


プロテラ財団は、農業および食品・飼料のサプライチェーンにおいて、環境・社会・経済の側面を考慮した持続可能な生産と責任ある調達を推進するオランダの非営利団体で、世界37か国から149の企業・団体がメンバーとして参加している。

2006年に策定された国際的なサステナビリティ基準であるProTerra Standardを運営しており、この基準では特に以下の事項を重視しているという。

  • 人権の尊重と適切な労働慣行(職場の安全、平等な機会の確保、児童労働および強制労働の防止)
  • 適正な農業慣行(土壌肥沃度の維持、水資源管理、肥料・農薬使用の継続的削減)
  • 森林破壊および生物多様性への配慮(高い保全価値の保護および厳格なNon-GMO要件)

今回は、ProTerra Standard Version 5を基準として、JGAP (JGAP2022)およびJGAPのアドオン規格+SAの要求事項との比較を行った。その結果、JGAPと+SAを合わせた基準全体として、ProTerra Standard V5の要求事項と73%の整合性が確認された。

分野別に見ると、農業管理システム、温室効果ガス及びエネルギー管理、廃棄物管理、人権および責任ある労働方針において高い整合性が確認されている。

一方で、地域社会との関係、土地利用や森林転換など、地域条件や制度設計の違いによる差異も確認された。これは、ProTerra Standardが主に大豆やさとうきびなどの国際的な農産物サプライチェーンを対象としており、森林転換の防止や生物多様性保全、遺伝子組み換え原料の不使用などを重視しているのに対し、JGAPは日本の農業条件を踏まえた制度であることによるものだという。

このような点を踏まえると、今回のベンチマーク結果は、JGAPが国際的なサステナビリティ要求と多くの共通性を持つ認証制度であることを示すと言える。

日本GAP協会は、今後もJGAPが日本国内の標準的なGAP認証制度としての役割を果たすとともに、国際的なサステナビリティ要求にも対応し得る基準として、その価値をさらに高めていくとしている。また、農業の現場と企業の調達、さらには国際的な基準との橋渡しとなる認証制度として、持続可能な農業の推進に取り組んでいく。


一般社団法人日本GAP協会
https://jgap.jp/ 
ProTerra Foundation
https://www.proterrafoundation.org/
ProTerra Foundation「JGAPとのベンチマークについて」
https://www.proterrafoundation.org/news/benchmarking-proterra-standard-v5-and-japan-good-agricultural-practices/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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