太陽に合わせて可動する3次元追尾式ソーラーシェアリング、茨城県行方市で運転開始

シン・エナジー株式会社とフィールドアセット株式会社は、ノータス株式会社が展開する3次元追尾式営農型太陽光発電架台「ノータスソーラーシステム」を導入した営農型太陽光発電設備の運転を茨城県行方市で開始した。

茨城県行方市で運転が開始した営農型太陽光発電設備
国内の太陽光発電市場は、再生可能エネルギーの普及・拡大を目的に設けられた固定価格買取制度(FIT制度)以降、拡大を続ける一方で、メガソーラー級の大規模太陽光発電設備に適した用地の約8割が既に使用されているなど、今後の用地不足が懸念されている。

このような中で、農地関連法制度の整備が進み、広大な農地を活用できるようになったが、太陽光パネルの影による日照不足や農機の利用制限等の課題から期待されていた活用規模には至っていない現状だ。

3次元追尾式営農型太陽光発電技術を採用


今回運転を開始した営農型太陽光発電所では、イタリアのREMTEC社が国際特許を取得する3次元追尾式営農型太陽光発電技術「アグロボルタイコ」を取り入れた、「ノータスソーラーシステム」を日本で初めて採用している。

太陽の3次元追尾で、高い発電効率を実現。また、業界最大クラスの営農空間を確保し、作物もほぼ限定せずに栽培でき、大型農機も利用可能だという。今回の営農品目はジャガイモだ。

「ノータスソーラーシステム」の特長

1.柱間12m以上高さ4m50cm以上の広い営農空間
業界トップクラスの営農空間。栽培作物の制限がなく大型農機も利用可能
2.太陽を3次元で追尾
パネル同士が作る影も計算することで高い発電効率を実現
3.災害の自動回避
太陽を追尾するパネル駆動システムを利用して自動的にセーフティーポジションをキープ。強風時は水平に、積雪時は垂直になる
4.農作物の生育を支えるシャドーコントロール
日照不足など農作物の生育に影響を及ぼさないよう、太陽光パネルを駆動して角度を変更する
ノータスソーラーシステムのシャドーコントロール
「アグロボルタイコ」の採用は、同社のグループ企業であるノータスソーラー株式会社とREMTEC社が締結した国内独占展開契約によるもので、行方市の営農型太陽光発電設備では、日本の規格、天候、農地に適応するための再設計が施されている。


ノータス株式会社
https://www.notus.co.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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