栃木県日光市の棚田で「水田farmo」によるソーシャル水管理実証実験が開始

栃木県宇都宮市のITベンチャーである株式会社farmoは、水田モニタリングシステム「水田farmo(ファーモ)」を活用したソーシャル水管理の実証実験をスタートした。

「水田farmo」は、クラウド上で水管理ができるスマートフォンアプリ。水位センサーと給水ゲートの2つを使用して、水田の入水と止水の制御や、水位のリアルタイム表示と水位データのグラフ化を実行。遠隔から水田の状況をいつでも確認できる。

「水田farmo」の水位センサーと給水ゲート
「水田farmo」のアプリ画面

地域で管理を行うソーシャル水管理の構築を目指す


実証実験が行われるのは、棚田での米作りを行う栃木県日光市の日光八木澤ファームの圃場。日本の農業は高齢化など多くの人的課題を抱えているが、その中でも棚田での稲作は管理が難しく生産効率が良くないこともあり耕作放棄地の増加が懸念されている。

栃木県日光市にある日光八木澤ファームの棚田
今回の実証実験は、スマート農業の利用が難しい高齢農業者に「水田farmo」を導入して、スタッフが水田の水回りをサポートするというもの。

farmoと日光八木澤ファームのスタッフをはじめ、地元生産者が「水田farmo」を活用した水管理を共同で実施。farmoは、水位センサーと給水ゲートの設置に加え、スマートフォンを使用した水管理や水位情報のFAX送信サービスを行う。中山間地域をカバーできるよう、圃場内にアンテナを設置し、地域全体にfarmoのサービスを提供するという。実証実験の期間は2021年秋の稲刈りシーズンまで。

同社は、今回の実証実験を通じて、日本のコメ農家の課題のひとつである水田の水管理の省力化を目指していく方針だ。


株式会社farmo
https://farmo.info/
日光八木澤ファーム
https://yagisawafarm.jp/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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