トプコン、トラクターに後付けできる自動操舵システムのエントリーモデルを発売

自動操舵システムの開発などを手がける株式会社トプコンは、農業用トラクターや田植機など、すでに所有している農業機械に後付けできる自動操舵システム「XD/AGS-2-SET」を発売した。価格はオープン。


機能を省いて自動操舵に特化


「XD/AGS-2-SET」は、従来の自動操舵システムで標準搭載していた作業機を制御する機能等を省いた自動操舵特化型の普及モデル。複数の農業機械に使い回しできる特長はそのままに、自動運転に直接関係する機能のみを搭載している。

1つのシステムを使い回して複数の農業機械を自動化することが可能。

自動操舵システム「XD/AGS-2-SET」の内容


1.XDコンソール(7インチのディスプレイ)
・新ソフトウェア「HORIZON5」を搭載した小型で見やすいディスプレイ。
・日中モード・夜間モードを切り替える機能付き。
・受信機で取得した位置情報から圃場を自動選択。
・1つの圃場で作成したガイドラインを一度に表示。

2.AGS-2(GNSS受信機)
・従来のGNSS受信機から約60%小型化。
・アメリカのGPS、ロシアのGLONASS、日本のみちびき、EUのGalileo、中国のBeidouの多衛星受信に対応。
・山間部の農地や木の陰など受信環境が悪い場所でも安定した自動操舵を実現。
・枕地旋回時の正確性・安定性が大幅に向上。

3.AES-35(モーター内蔵ハンドル)
・自動操舵運転を可能にする電動ステアリング。

4.ホイールアングルセンサー
・0.1km/hの超低速な作業でも安定した自動操舵運転を実現。

同社は、「XD/AGS-2-SET」の販売を通じ、自動運転システムを活用したスマート農業を広く一般に普及したい考えだ。

製品情報


自動操舵システム「XD/AGS-2-SET」
価格:オープン
内容:7インチディスプレイ・GNSS受信機・モーター内蔵ハンドル・ホイールアングルセンサー
発売:2021年11月


株式会社トプコン
https://www.topcon.co.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    北島芙有子
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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