損保ジャパンら、AIによる災害リスク検知サービスと予兆保険の検証を開始

損害保険ジャパン株式会社、SOMPOリスクマネジメント株式会社、株式会社電通国際情報サービスの3社は、独自開発したAI予測モデルを使用して水稲の高温障害の発生を早期に予測し必要な追肥の実施を生産者に知らせる「リスク検知・アラートサービス」と、被害対策に必要な費用を補償する「予兆保険」の検証を2021年11月~2022年3月まで実施。

米の収量・品質の安定化を目指す


水稲の高温障害は、 登熟期(稲が実る時期)に気温が高くなると発生する生育障害で収量不足や品質劣化を引き起こすといわれている。

高温障害は、登熟期以前の早期の段階で追肥を実施すれば被害を抑えられるが1~2カ月先の気温を予想することは難しく、また高温が予想できる場合でも追肥に必要な労働力の確保や費用負担は個々の生産者に委ねられていることから対策を万全に期することができなかったという。

今回の検証では、米の収量・品質の安定化を目的に、検証に協力するパートナー企業・自治体・研究機関を募集して、水稲の高温障害予測モデルの精度検証と予兆保険の検証を実施。無人ヘリコプターや農業用ドローンを使用した追肥作業の代行など追肥に必要な費用も保険で補償する。

現段階では、契約農家を抱える商社や米卸売業者が主な利用対象となっているが、生産者の利用も可能だという。




3社の役割およびパートナー企業・自治体・研究機関の応募条件は以下の通り。

3社の役割
損保ジャパン:予兆保険の組成
SOMPOリスクマネジメント:リスク予測モデルの開発支援・保険組成支援・プロジェクトコーディネーション
電通国際情報サービス:「リスク検知・アラートサービス」の開発(リスク予測モデルの開発・サービスUI開発)

パートナー企業・自治体・研究機関の応募条件
・契約農家から業務用米の仕入れを行っている企業
・業務用米の生産を行っている生産者・生産者団体
・水稲の高温障害対策に関心のある自治体および研究機関

日本では、自然災害による農作物への被害が深刻化している一方で、業務用農作物の収量・品質・価格を一定にするフードチェーンの安定化の動きが高まっている。

損保ジャパンとSOMPOリスクマネジメントは、新たなサービスである 「リスク検知・アラートサービス」と「予兆保険」開発に向け、農業IoTに強みを持つ電通国際情報サービスと共同で取り組みを進めてきた。

今後は、検証で得られた課題やデータを参考に、サービスの社会実装に向けた取り組みを進めながら、日本の農業・食品産業の発展に寄与するフードチェーンの安定化に向けた取り組みを加速したい考えだ。


損害保険ジャパン株式会社
https://www.sompo-japan.co.jp/
SOMPOリスクマネジメント株式会社
https://www.sompo-rc.co.jp/
株式会社電通国際情報サービス
https://www.isid.co.jp/
SHARE

最新の記事をFacebook・メールで
簡単に読むことが出来ます。

RANKING

WRITER LIST

  1. 槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  2. 田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  3. さわちん
    2児の父。あるきっかけにより農業のイメージを変えたいと考え、16年間のサラリーマン生活にピリオドを打つことを決意。2020年春、家族で田舎に移住し、新規就農を目指す。自身が「移住×就農のモデルケース」となるために、いろんな方面へ向けて奮闘中。
  4. 福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  5. 窪田新之助
    農業ジャーナリスト。福岡県生まれ。日本経済新聞社が主催する農業とテクノロジーをテーマにしたグローバルイベント「AG/SUM(アグサム)」プロジェクトアドバイザー、ロボットビジネスを支援するNPO法人Robizyアドバイザー。著書に『日本発「ロボットAI農業」の凄い未来』『GDP 4%の日本農業は自動車産業を超える』(いずれも講談社)など。