収量予測AI「AGRIST Ai」に搭載、“進化するAI”をMicrosoft AI Co-Innovation Lab Kobeで開発

AGRIST株式会社は、企業や組織のイノベーションを創出する施設「Microsoft AI Co-Innovation Lab Kobe」(以下、AI Co-Innovation Lab)で、Sprint開発を2025年2月に行うと発表した。同社が提供する収量予測AI「AGRIST Ai」に搭載する“進化するAI”の開発を実施する。


予測精度が日々進化するAI


AGRISTは、テクノロジーで農業課題を解決し、持続可能な農業の実現を目指すスタートアップ企業で、AIとロボットを活用したスマート農業パッケージを販売している。中でも、AIを活用した収量予測システム「AGRIST Ai」は、農作物の生育状況や環境データ、市況データなどをAIが分析し、収量予測や需要予測、栽培までのレコメンドを実現する。

今回の開発では、Microsoftのクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」上で、収量や環境データを含んだ学習データをインプットに「ML Ops」(※)技術を活用した進化するAIを構築。これにより、従来は自動化が難しかった、データの蓄積に伴い収量予測の予測精度が日々進化するAIを開発する。

※ML Opsとは機械学習(ML)モデルの開発、デプロイ、運用を効率化するためのプロセスとツールのセットのこと。



AI Co-Innovation LabのSprint開発を活用することで、開発期間の大幅な短縮が可能となり、5日で進化するAIを実現できるとしている。

今回の開発の詳細やAGRIST Aiの最新機能ついては、都内で3月に開催が予定されている成果発表イベントで発表される予定だ。また、AI Co-Innovation Labでは、AGRISTが開発した自動収穫ロボット「キュウリ収穫ロボット」の展示も行っている。

2024年12月にAI Co-Innovation Labで開催したイベントの様子

AGRISTは、今後もMicrosoftとの連携を強化し、AGRIST Aiのさらなる精度向上と機能拡充に取り組んでいくほか、農業ロボットの開発を加速させ、AIとロボット技術の融合による農業の革新を推進していくとしている。

なお、AGRISTでは連携する大企業や農業生産法人の募集も行っている。


VPoEエンジニア統括最高責任者 清水 秀樹氏のコメント
「Microsoft Azure上でML Opsの仕組みを構築できることは、人力でAI精度向上に取り組む必要がなく、AGRIST Aiの発展に、農業の未来を大きく変える可能性を秘めています。このシステムを1、2年使い込めば、データの蓄積とAIの進化により、収量予測の精度がさらに向上し、稼げる農業をいち早く実現できると考えています」


AGRIST株式会社
https://agrist.com/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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