オプティム、生育予測・病害虫予察により適期防除を実現する「ピンポイントタイム散布」サービスを発表

株式会社オプティムは、11月30日(火)にオンラインで開催された「OPTiM INNOVATION 2011 agri」の中で、圃場ごとにデジタル解析による適期防除が可能な新サービス、「ピンポイントタイム散布」サービスの提供を開始すると発表した。

これまで同社が培ってきた生育予測技術や病害虫発生予察技術と、ドローン防除の知見を組み合わせることで、最小限の農薬で最大の防除効果の実現を目指す。

最適なタイミングを逃さずドローン防除


オプティムはこれまで、病害虫が検知された箇所に農薬を散布する「ピンポイント農薬散布」や、追肥が必要な箇所のみに必要な量の追肥を行う「ピンポイント施肥」を展開し、農薬や肥料の使用量を削減することに貢献してきた。

その中で、生産者の声として、無人ヘリなどの共同防除では、オペレーターや機材の数、天候による順番待ちなどが発生し、適期に農薬を撒けていないという課題が見えてきた。

それらを解決するために、生育予測技術と病害虫発生予察技術による防除の適期判定と、ドローンパイロットシェアリングサービスや「ドローン農薬散布防除サービス」を通して培った散布ノウハウを組み合わせたのが、「ピンポイントタイム散布」サービスだ。


「ピンポイントタイム散布」サービスは、「ピンポイント農薬散布」・「ピンポイント施肥」と並ぶ、「ピンポイント散布シリーズ」の新たな取り組み。同じ効果をより少ない農薬散布頻度によって実現することで、環境負荷軽減に貢献いたします。

「ピンポイントタイム散布」サービスの提供範囲は日本全国で、平地や中山間地でも対応可能。対応面積は10haから上限はないため、個人生産者だけでなく、地域全域といった大規模の散布も可能だ。

このサービス開始を記念して、2021年内に相談すると、1haあたり1万4000〜円(税込1万5400円〜)で利用できる。



既存サービスとの関係性


オプティムでは、ドローンパイロットと作業委託者をマッチングするプラットフォームとして「ドローン農薬散布の仕事紹介サービス」をβ版として提供してきたが、その中で適期に防除を行いたい・地域全域での防除を委託したいというニーズが見えてきた。

そこで、農薬散布に集中し、付加価値の高いサービスを提供するため、業種・用途横断的に提供してきた「ドローン農薬散布の仕事紹介サービス」は「ピンポイントタイム散布」に統合する。



本サービスの特長は以下の通り。

ITの技術力を活かし農薬散布をデジタル化
一般的な農薬散布代行サービスでは、サービス対象は散布作業の部分のみ。
本サービスでは、資材の決定や注文情報のデジタル化、委託パイロットの選定、散布日の決定まで全ての作業をトータルで対応可能。これにより、防除取りまとめ団体側の手間を大幅に削減できる。

地域内の散布適期を簡易的に予測可能
作物の生育予測技術を活用することで、生育ステージを予測できるため、最適な散布日を手軽に予測できる。
予測結果をもとに散布スケジュールを組むことで、パイロットの調整もスムーズに行える。

ドローンオペレーションノウハウを活用したパイロット育成
これまで農業事業で培ってきたドローンのノウハウを、パイロット育成に活用。
各地域の中でパイロットを育成することで、地域内で運用できる体制の構築を目指す。

ドローン防除のため中山間地でも効率的に対応可能
ドローンは操縦性が容易であるため、無人ヘリの導入が困難な中山間地でも対応可能。また、無人ヘリよりも安価なため、平地での防除でも台数を増やして対応することで、効率を落とさず散布できる。



農薬防除は地域によって推進主体やプロセスがさまざまだが、オプティムはそこもサポートしていく。

具体的には、地域一斉で行われている共同防除の中での医療や、すでに共同防除体系がある地域では、中山間などドローンの適性が高いエリア限定で利用することも可能だ。また、新たに共同防除の体系から立ち上げたい地域では、オプティムが立ち上げ段階から支援してくれる。

個人生産者・農業者団体からの少量発注も受け付けており、知人に紹介したり、地域での散布面積を増やすことで、スケールメリットを増やせば費用を抑えることも可能だ。

対応作物は米・麦・大豆だが、ドローンでの薬剤散布が可能な作物であれば、一部圃場での実験散布から提供することも、生産者と一緒に考えながら実施できるという。



2022年の散布受付は本日からスタート


2022年に実施予定の防除に関して、本日11月30日(火)より、「ピンポイントタイム散布」サービスの依頼受付が開始される。依頼は、以下の問い合わせフォーム、もしくは電話にて。同時に、地域でのドローンパイロットの募集も引き続き行っているとのこと。


ピンポイントタイム散布 概要

対応可能エリア : 離島などを除き、日本全国
申込対象 : JA・農業共済・自治体などの団体、営農組織、個人生産者
対象作物 : ドローンでの薬剤散布が可能な作物
対応可能面積 : 10ha以上(上限なし)
料金 : 2021年内の相談に限り、1haあたり1万4000円〜(現地条件により変動。資材費は含まず)
※2022年1月以降は、1haあたり1万5000円〜。
問い合わせフォーム : https://www.optim.co.jp/contact/pts 
問い合わせ電話番号: 050-1741-7673

ドローンパイロット募集概要 

対応可能エリア : 離島などを除き、日本全国
申込対象 : ライセンス・機体を所持していない方も応募可能
問い合わせフォーム : https://www.optim.co.jp/contact/agriculture 
問い合わせ電話番号: 050-1741-7673

「ピンポイントタイム散布」サービス

オプティム|農業×IT
https://www.optim.co.jp/agriculture/


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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
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    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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