AGCOの散布機シリーズ「Fendt Rogator」にONE SMART SPRAYの技術を搭載、除草剤使用量を最適化

ドイツの総合化学メーカーBASFの子会社であるONE SMART SPRAY社と、アメリカの農業機械メーカーAGCO社は、AGCOの散布機シリーズ「Fendt Rogator」にONE SMART SPRAYの技術を搭載し、2024年より南北アメリカとヨーロッパで提供開始する。

ONE SMART SPRAYの技術を搭載したAGCOの散布機シリーズFendt Rogator ©2022 Bosch BASF スマートファーミング①

除草剤の使用量を最適化


ONE SMART SPRAYは、2021年に設立されたボッシュとBASFの合弁会社。精密技術、デジタルツール、農学的インテリジェンスを組み合わせることで、スマートな精密農業を実現し、雑草防除を新たなレベルに引き上げ、農業の生産性、収益性、サステナビリティを向上させている。

AGCOは、農業機械と精密農業技術の設計、製造、販売を手がけ、持続的に食料を供給するためのソリューションを提供している。

今回提供が開始される散布機は、雑草防除の質を落とすことなく除草剤使用量を最適化することで、農薬の使用量を削減し、昼夜を問わずターゲットを絞った除草剤散布を可能にする。

また、散布データから得られる実用的なインサイトにより、生産者の収量と効率を向上させる統合的なデジタルツールとしての役割も果たすという。

高度なセンサー機能や検出感度自動設定、ONE SMART SPRAYの雑草識別技術、「Fendt Rogator」のアプリケーションプラットフォームが除草剤の節約を実現する。

ONE SMART SPRAYの技術を搭載したAGCOの散布機シリーズFendt Rogator ©2022 Bosch BASF スマートファーミング②

また、生産者はカスタマイズされた農学的推奨や信頼性の高いレポート機能を活用できる。

圃場での作業だけでなく、事務的な作業にも使えるAGCOのオンボード・オフボードコントロールと、xarvio®(ザルビオ)デジタルファーミングソリューションが提供するONE SMART SPRAYの統合デジタルプラットフォームが連携した雑草管理システムで、ユーザーは散布時に収集したデータをフル活用し、インサイトを得ることが可能。

対象作物は、とうもろこし、大豆、綿花、菜種、ひまわり、てんさいなどで、今後は小穀物などの作物にも対応していく予定とのこと。

ONE SMART SPRAY北米担当のMatt Leininger(マット・レイニンガー)氏 コメント
「私たちのシステムのユニークな点は、優れた精度、デジタルツール、そして最高の農学的専門知識の組み合わせにあります。24時間365日の散布能力で、発芽前(土壌と雑草の識別)でも発芽後(作物と雑草の識別)でも、優れたパフォーマンスを発揮します。このような精密農業は、環境への負荷を減らし、より高い収量をサポートする画期的なものです」

AGCOの精密農業&デジタル担当SVP兼GMのSeth Crawford(セス・クロフォード)氏 コメント
「ONE SMART SPRAYと共同で、生産性を維持しながら収益性を向上させ、最大限の節約で雑草のない圃場を実現する持続可能なソリューションを開発してきたことは、AGCOの生産者重視の姿勢を示す素晴らしい例です。このソリューションを世界中の生産者や散布業者に提供すべく、ONE SMART SPRAYとさらなる協業を楽しみにしています」


ONE SMART SPRAY
https://www.onesmartspray.com/
AGCO
https://www.agcocorp.com/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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