ヤンマー、直進アシスト機能を搭載した全自動野菜移植機「PW200Rシリーズ」を発売

ヤンマーアグリ株式会社は、ICTを活用し自動で直進作業を行う“直進アシスト機能”を搭載した乗用全自動野菜移植機「PW200Rシリーズ」を2025年4月1日(火)に発売する。

乗用全自動野菜移植機「PW200Rシリーズ」

「直進アシスト機能」で農作業の高効率化・高精度化を実現


近年、就農者の減少や高齢化による人手不足などの課題を抱える農業分野において、ICTなどの技術を活用した作業の効率化が求められている。これを受け、ヤンマーアグリでは、農業分野の課題解決に向けた、自動運転農機SMARTPILOT(スマートパイロット)」シリーズのラインアップを強化している。

今回発売する乗用全自動野菜移植機「PW200Rシリーズ」は、乗用型の野菜移植機において、ヤンマーアグリとして初めて直進アシスト機能を搭載。オペレーターの作業負担を軽減するとともに、操作に不慣れな人でも簡単に高精度な植付けを行うことができる。主な特徴は以下のとおり。

誤差数cm精度のRTK直進アシスト機能(RTK直進アシスト搭載 G仕様)


RTK-GNSS方式の自動操舵システムを採用し、事前に基準線のA点・B点を登録することで、基準線と平行に誤差2~3cmの高精度な作業が行える。うねのないほ場であっても、まっすぐ植付けることが可能だ。

直進アシストトラクターを使用してうね立てをした場合は、トラクターの方位角をPW200Rに入力することで、トラクターと同一の経路作業が行える。また、移植作業をしたPW200Rの方位角をトラクターに入力して、後工程の中耕作業などに利用することもでき、野菜作機械化一貫体系で作業の省力化・高精度化を実現する。

直進走行の様子

トラクターとの協調作業の様子

植付速度と精度の向上

最高植付速度が0.55m/sと、従来機に比べ約10%向上。また、速度の向上に合わせて植付部の構造を見直し、広い面積をより高精度に、効率よく植え付けることができるという。

機体から降りずに操作できる9段階の「覆土圧調整レバー」

覆土圧調整レバーが、植付部後方に加え、新たに運転席後方にも設けられている。これにより、運転席から降りずにレバー操作が可能になり、補助者がいない1人作業でも効率的に作業が行える。また、調整段数が従来の5段階から9段階に増え、覆土量の細やかな調整が可能になった。

さまざまな栽培体系に適応

オプションとして、左右合計12枚の追加予備苗台が用意されている。標準で16枚(予備苗台12枚と苗載台4枚)のトレイが搭載されているため、最大28枚の苗トレイが搭載でき、大規模なほ場でもトレイの補給回数を低減できる。

また、植付条間は45~66cmに設定が可能。従来機にも搭載されているマルチうねや、うね溝幅が狭いほ場で活躍する後輪幅90mmのRS仕様、中小玉の野菜移植に対応する株間23~80cmで調整可能な短株間仕様(S仕様)など、あらゆる栽培体系に対応している。

覆土圧調整レバー

最大28枚搭載可能な予備苗台

商品概要

「乗用全自動野菜移植機 PW200R(,S) (,RS) (,G)」
発売日:2025年4月1日(火)
価格:368万円~456万6100円(税込・メーカー希望小売価格)


「PW200Rシリーズ」商品ページ https://www.yanmar.com/jp/agri/products/vegetable/vegetable_replant/pw200r/
ヤンマーアグリ株式会社
https://www.yanmar.com/jp/about/company/yag/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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