AI潅水施肥システム「ゼロアグリ」を活用した野菜ブランド「美やさい」が登場

株式会社ルートレック・ネットワークスは、同社が開発したAI潅水施肥システム「ゼロアグリ」を導入している生産者が作った野菜の新ブランド「美やさい」を立ち上げた。

水と肥料をコントロールし、品質高く、節水や化学肥料削減に配慮して栽培した野菜を「美やさい」とし、ECサイトや大手スーパー等で販売していく。


「ゼロアグリ」は、土壌センサーや日射情報から作物にとって必要な潅水、施肥量をAIが算出し、最適なタイミングで実施を行うスマート農業システム。生産者の省力化だけでなく、作物にストレスのない潅水施肥により、作物の収量、品質向上につながるため、生産者の収益向上に貢献するという。

また、AIが最適な量の潅水施肥を行うことにより、多施肥を防ぎ、化学肥料による地下水汚染やCO2排出削減にもつながり、環境に優しい栽培が可能となる。2015年より国内外への本格出荷を開始し、全国の農家・農業試験場で累計370台以上導入されている。

SDGsを意識した野菜ブランド


現在、日本の農業現場では農林水産省が策定した「みどりの食料システム戦略」が掲げるCO2排出削減を意識した栽培手法が重要視されている。しかし、販売された野菜に対する環境問題への意識はそれほど高くないのが現状である。

そこで同社は、スマート農業機器を活用して生産した品質の高い野菜をブランド化し、高品質の野菜を求める消費者と生産者を結びつけることで、消費者に対してスマート農業や農業における環境問題のアピールを行うとともに、品質の高い野菜を安心して購入もらうために「美やさい」を立ち上げたという。

「美やさい」の商品イメージ

「美やさい」は、農業生産で重要な水やりと施肥作業をAIでコントロールして栽培。人間では実施できないレベルの精度でAIが毎日細かく水やりや施肥を実行し、生産者が手間をかけ手入れを行っていくため、作物がストレスなく健康に育ち、美味しく品質の高い野菜が生産できるという。

また、「AIによる水と肥料のコントロール」、「生産者による品質の高い野菜の厳選」、「専門機関によるサンプル検査」の3つを元にした「美味しさチャート」を作成。これにより、甘味や酸味、苦味、旨味などの味が視覚化され、消費者は自分好みの味を自由に選んで野菜を購入することができる。

美味しさチャート例(アスパラガス)
※株式会社メディカル青果物研究所による食味評価の結果を表示

作物を育てるプロセスを消費者に伝えるため、生産地や生産者のプロフィールを紹介。さらに、生産者ごとにCO2排出の削減量も表記している。

CO2排出量削減のイメージ
※公的・準公的機関が公表する施肥基準および環境省が公表する
サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース (ver.3.2)」に準拠して算出

「美やさい」は現在、株式会社クボタのグループ社員・日本生命の社員を対象に展開する産地直送通販サイト「クボタべっぴんファーム」での先行販売が開始されている。


「美やさい」
https://biyasai.jp
株式会社ルートレック・ネットワークス
https://www.routrek.co.jp/
AI潅水施肥システム「ゼロアグリ」
https://www.zero-agri.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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