みかん農家のミヤモトオレンジガーデンが「スマート農業ドローンスクール」を開校

株式会社ミヤモトオレンジガーデンは、ドローンに関する実践的なノウハウが得られる「スマート農業ドローンスクール」を2024年2月に開校した。農業用ドローンの操縦資格(技能認定)の取得や、柑橘類の栽培に特化した独自カリキュラムを提供する。

柑橘園地での農業ドローン

みかん農家によるドローンスクール


愛媛県八幡浜市のミヤモトオレンジガーデンは、みかんと柑橘類の生産、加工、販売を手がける農業生産法人で、農業の国際認証であるグローバルGAPを国内のみかん・柑橘類で初めて取得した。2023年3月に農業用ドローンによる農薬自動散布体制を確立し、ドローンによる畑の測量から農薬自動散布までの全ての工程を社内で一貫して行っている。

日本の農業は少子高齢化による人手不足が進んでいるが、特に急傾斜地での栽培は農家の作業負荷が大きく、耕作放棄園が急拡大しているという。県内の柑橘園地では、手散布やスプリンクラーで防除が行われていることから、作業負担の軽減や生産性向上に向け農業ドローンの活用に期待が高まっている。

ミヤモトオレンジガーデンの「スマート農業ドローンスクール」は、農業用ドローンの操縦資格(技能認定)を取得できるドローン教習所だ。柑橘栽培でドローンを活用してきた知見を生かし、みかん・柑橘栽培に特化したオリジナルコース「柑橘農業ドローンコース」、請負散布への対応が可能になる「柑橘農業ドローンプロコース」も開講する。

特徴は以下のとおり。

1.農地での操縦経験が豊富な講師による実践重視の指導
ドローンによる農薬・肥料散布を実際に圃場に導入している農業事業者や、水稲などでの実践経験の豊富な講師達が、少人数制で対面指導を行う。これにより、現場で求められる操縦技術や知識、現場で困ることを先取りして習得することができる。

2.農業法人所有の農地での操縦訓練
柑橘オリジナルコースの操縦訓練は、同校の農業法人が所有する農地で実施される。実際の農地の傾斜地での操縦体験を通して、他の教習所では体験することのできない実用的な操縦スキルを身につけることが可能。

3.充実したサポート
ドローンの操縦技術だけではなく、農薬や肥料に関するアドバイスから補助金申請のサポートまで対応。また、修了後はドローンの購入からメンテナンスまでを一貫で対応。

また、修了生限定のコミュニティや、農薬・肥料散布の仕事紹介、農薬・肥料の仕入れ先紹介など、修了後も充実したアフターサポートを提供していくという。

ミヤモトオレンジガーデン園地で栽培しているうんしゅうみかん

全天候対応ドローントレーニングフィールド

教習施設

同社は、これまで蓄積してきた農業ドローン活用のノウハウを提供してスマート農業人財を育成することで、農業基盤強化、地域および農業界の発展に貢献していきたいとしている。


農業生産法人 株式会社ミヤモトオレンジガーデン
https://www.orange-garden-inc.jp/
「スマート農業ドローンスクール」
https://www.orange-garden-inc.jp/drone/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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