ほくつうと東京大学、水田水管理省力化システム「水まわりくん」を活用した共同研究を開始

株式会社ほくつうと国立大学法人東京大学大学院農学生命科学研究科は、水田水管理省力化システム「水まわり(みまわり)くん」を活用した共同研究を2024年4月1日(月)より開始した。

スマート水管理の活用による水田の水温上昇効果を明らかにし、水稲の冷水害抑制のための水管理効果をさらに高める工夫および改善点を検討していく。

ほ場での設置状況

農家の水管理労力を軽減


ほくつうは、日常生活におけるさまざまな電気通信設備の企画・設計・施工・メンテナンスを手がける企業。農業分野においては、水田の自動水管理システムである「水まわりくん」の開発・製造・販売を行っている。

今回の取り組みは、水まわりくんシリーズの「水まわりゲートくん(開水路タイプ)」を導入し、スマート水管理の活用による水田の水温上昇効果を明らかにするというもの。また、水稲の冷水害抑制のための水管理効果をさらに高める工夫や改善点についても検討していく。

水まわりゲートくん

「水まわりゲートくん」の特徴は以下の通り。

1.軽量コンパクトで持運び、取り付け、取り外しが簡単
・総重量3.2kg(バッテリー込み)と軽量
・一つのナットを回すだけで、簡単に取り付け、取り外し可能
2.機側設定型と遠隔設定型の2タイプを用意
・用途に合わせて最適機種を選択
3.設計寿命10年の長寿命機器
4.マルチホップ機能を搭載(遠隔設定型を利用の場合)
・通信距離の延長、障害物等を避けての通信が可能
5.スタンドアロン運転機能を搭載
・通信障害が起きても、単独での自動運転を継続
6.標準装備の水位センサーで水位の上限管理が可能
・タイマー機能と合わせて水管理を行う事でムダ水を削減

なお、今後の共同研究の内容や成果の詳細については、その都度公表していくという。ほくつうは、水まわりくんの事業に取り組むことで、農家の水管理労力の軽減や品質改善、収穫量の増加、節水にも貢献していきたいとしている。


株式会社ほくつう
https://www.hokutsu.co.jp/
水まわりくん特設サイト
https://www.hokutsu.co.jp/agri/
東京大学 農地環境工学研究室
http://www.land.en.a.u-tokyo.ac.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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