産地偽装やブランド品種の流出を防ぐ生産管理システム「TaaS」、「京都スマート農業祭2019」で紹介

ブロックチェーンを用いたビジネスソリューション・サービス・システムを提供する株式会社CTIAが、2019年11月15日〜16日に京都府亀岡市で開催された「京都スマート農業祭2019」に出展した。


「京都スマート農業祭2019」は、農林水産業の経営向上と集落機能の維持を目的にICTやロボットなどを活用したスマート技術を生産者に紹介するマッチングイベント。昨年から始まった同イベントは京都府と一般社団法人京都府農業会議、近畿農政局が共催で開催している。

農業のICT化を推進し課題解決へ

同イベントには国内の約50企業が参加し、農業生産を発展させるために人工知能AIやクラウドなどの先端技術を活用したシステムなど、農家が抱える問題やニーズを汲み取ったICTソリューションが数多く出展した。

実演コーナーでは実際にロボットトラクタードローンなどのRPA(Robotic Process Automation)を操作して生産者に実演、そのほかにも農作物を販売するまでに必要な事務作業をスマートフォンだけで完結できるサービスや圃場営農管理をデジタル化するシステムなどがあった。

TaaSの導入で産地偽装を防止

CTIAは自社開発した生産管理システム「Traceability as a Service」(TaaS)についてのプレゼンテーションを特設ステージで行った。


農林業界では農作物の産地偽装や商品が流通経路内でのすり替え、ブランド品種の国外流出が深刻な問題になっており、この問題に対してTaaSを導入することで、農作物が生産されてから販売するまでのワークフローを一元管理し、偽装防止や品種の証明に役立つという。

プレゼン後にCTIAのブースを訪れた農林業に従事するイベント参加者からは、「産地偽装が横行する業界にとってTaaSは画期的なシステムになりそう」という感想や、「農作物が農家から消費者に届くまでの情報を追跡できるトレーサビリティに可能性を感じる」などの意見が寄せられていた。

CTIAは茶葉の製造業者やコオロギパウダーを使用した食品開発ベンチャーとともにTaaSシステムの導入に向けた取り組みを進めている。

<参考URL>
京都スマート農業祭2019
株式会社CTIA





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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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