衛星画像解析による野菜の収穫予測サービス「DATAFLUCT agri.」が2020年2月よりスタート

株式会社DATAFLUCTは、生産現場の衛星画像データのモニタリングや市場取引価格のAI予測により、野菜の収穫時期を予測し安定供給をサポートする「DATAFLUCT agri.」を、2020年2月よりスタートする。

今回、サービスの満足度向上および予測精度向上のため、契約栽培によって仕入れを行う食品加工業界、外食業界、および青果専門商社の企業の募集も開始した。


国産野菜の安定供給を目指す

昨今の異常気象の多発により天候に大きく左右される国産野菜は、以前に比べて安定的に調達することが非常に難しく、農業従事者にとって経営を不安にさせる要因の一つだ。
こうした理由から、食品加工業界は野菜の輸入量を増やさざるを得ない状況であり、国産野菜の市場価格は大きく変動しやすいものとなっている。

一方、国産野菜を契約栽培によって仕入れるバイヤーは、契約農家からの調達不足や市場からの追加調達により仕入れコストがかさみやすく、また、遠隔にある産地の生産状況を把握し、生産者とコミュニケーションをとるのが難しいといった課題を抱えている。

DATAFLUCTでは、衛星データを多角的に解析することで、国産野菜のサプライチェーンを最適化・持続可能なものとし、国産野菜の消費量の拡大につなげたい考えだ。

DATAFLUCT agri.とは

「DATAFLUCT agri.」は契約栽培による仕入れ状況と、市場の仕入れ状況をモニタリングすることで、野菜の安定供給をサポートするサービスだ。衛星画像データを用いて産地の生産状況から収穫時期を割り出し、市場取引価格データと気象データを活用して将来の市場取引価格を予測することで、仕入れコストの削減を目指す。

主な機能

1.衛星画像データの解析
契約農家が栽培する野菜の「収量予測」「収穫日予測」「生育状況モニタリング」「異常検知」を可能に。現地の農家と直接コミュニケーションをとらずに、遠隔地からでも現地の生産情報を把握できる

2.市場取引価格のAI予測
過去の市場取引価格および気象データをAIによって解析することで、将来の市場取引価格を予測。従来より早い段階で原料調達先を再検討できるので、仕入れコスト削減につながる。
※対象となる生産品目は、キャベツ、レタス、白菜、大根、タマネギ、ニンジンなどの土地利用型作物。

活用ケース

【ケース1】
特定の地域の契約農家が生産する野菜の生育が思わしくない場合、他の地域で生産する契約農家からの仕入れを増やしたり、必要に応じて市場価格予測情報をみて市場からの調達をするといった検討できる。

【ケース2】
例えば2週間後に漬物にする白菜を市場から調達しようと検討していた場合、DATAFLUCT agri.では2週間後の価格を予測することが可能。出荷予定時での原価が大まかにわかるため、場合によっては調達を早めたり遅めたりするなどの意思決定ができるようになる。

【ケース3】
不作によりキャベツの価格高騰が事前に予測できれば、提供する商品に用いるキャベツの量を調整でき、結果としてコスト削減につながる。

パートナーの主なメリット

・契約農家の野菜生育状況が悪いことを、より早い段階で知ることができる。
・市場取引価格の高騰を、より早く知ることができる。
・同実証実験に参加したパートナー企業は、半額以下で同サービスを導入し、検討することが可能。

パートナー募集

サービスの満足度向上および予測精度向上のため、キャベツ、レタス、白菜などの土地利用型野菜を契約農家から仕入れを行う食品加工業界、外食業界、および青果専門商社の企業を募集。なお、生産者様向けの生産改善機能も現在開発中。

募集期間:2019年12月4日~ 12月27日
条件:キャベツ、レタス、白菜、大根、タマネギ、ニンジン、ネギなどの土地利用型作物の仕入れを行なっていて、契約農家の紹介ができる企業。
申込方法:当社HPの問い合わせフォーム(https://datafluct.com/service/agri/

<参考URL>
株式会社DATAFLUCT
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WRITER LIST

  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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