寒波襲来! 新米チンゲンサイ農家のドタバタ雪対策とは?【さわちんの「リアルタイム新規就農日記」第11回】

こんにちは。コケチンファーム代表のさわちんです!

前回は、2021年の振り返りと題して、2021年4月から12月までのコケチンファームの農業を、収穫量と労働時間にフォーカスしてお伝えしました。また、2022年の抱負も併せてお伝えすることで、退路を断ってみました(笑)。

自分でいろいろとまとめてみて面白いなぁと思ったのが、データをまとめてグラフ化すると、そこには何らかの相関関係が浮かび上がってくるということです。日々の記録は、振り返りや気付きに必ず役に立つということを改めて認識しました。今後も営農状況を逐一データ化して、自分自身はもちろん、就農して間もない方々にも参考にしていただければなぁ、と思う今日この頃です。

さて今回は、真冬のチンゲンサイ栽培についての工夫をお伝えしたいと思います。

春は目前ながらも、まだまだ寒い日が続いている中で、かけだしチンゲンサイ農家は頑張っておりますよ!

イラスト:ヤマハチ

さわちんのビニールハウスに雪が襲来!!

まず、今年の冬は例年より寒かったような気がしています。というのも、さわちんの住む加茂谷地域では、年に数日雪がちらつくことがあるかな、くらいの雪の具合が普通だったのですが、今年はしっかりと雪が積もったからです。



久しぶりの雪に子どもたちは大喜びでしたが、さわちんはドッキドキです……。

それはビニールハウスや、チンゲンサイに影響がなかったか、とても心配だったからです。豪雪地帯ではないため、ビニールハウスが雪の重みでつぶれるというようなことはめったにないと思うのですが……。


さっそくビニールハウスにやってくると、雪がうっすらと屋根に積もっていました。でも、それ以外には特に目立った影響はなさそう。

となると、次はチンゲンサイの様子がとっても気になります。さて、無事でいてくれているかな……?


大丈夫なのか!? チンゲンサイ!!

こちらは、ハウス内でプランター栽培しているチンゲンサイの様子です。


あれ!! 葉っぱがなんかペランペランになってる! ちなみに、普段の葉っぱの様子はこんな感じ。


え? なにこれ? え~!? 慌てて先輩に話を聞きにいったところ、ビニールハウス内の温度が0℃を下回るとチンゲンサイの葉っぱが凍結してこうなってしまうようです。

この状態のままでは収穫はおろか、水やりもできません。とにかくさわっちゃいけないとのこと。

でも、それほど心配をする必要もありませんでした。日が昇り、ビニールハウス内の温度が上がってくると、自然に普段の様子に戻るのです。

しかし、師匠の話によると、この状態が何度も続くと、だんだん復活しなくなり、出荷できなくなるそうです。そのため、師匠は気温が氷点下になりそうな予報を見たときは、チンゲンサイ全体に不織布をべたがけすることで、凍結を防いでいるそうです。

文字で書くと簡単ですが、全長20~30m程度の畝全体に不織布をかけ、風でめくれないように固定し、朝日が昇ったらまた外して……という作業にかかる手間を考えると、野菜作りは本当に情熱がなければ取り組めないな、と身が引き締まる思いがしたのでした。

さわちんは、今回はそこまではできませんでしたが、ラッキーなことにこれ以上凍結することなく収穫を終えることができました。


さわちんの工夫 ~苗場~

また、寒さから守ってあげなければいけないのは、チンゲンサイの苗たちも同じです。人間でいう「赤ちゃん」の苗たちは、さらに寒さには敏感。寒すぎると枯れてしまったり、成長が止まってしまったりということもあり、場合によっては、圃場に植えるタイミングがずれてしまい、収益をあげられなくなってしまいます。

そこで、コケチンファームでは先輩からのヒントを元に、苗場を改造し、ビニールで保温カーテンを作りました(カーテンの中にうっすら苗が見えます)。


これは、ビニールハウスの中に簡易的なビニールハウスを作っているイメージです。ビニールハウスの二重化により保温性能がさらにアップ。実際、チンゲンサイが凍ってしまった日も、苗には全くダメージがありませんでした。

周りのチンゲンサイ農家さんをみても、形は違えどみなさん、苗場はビニールを二重化していました。

ちなみに、写真のチンゲンサイ畝の横にあるシルバーのビニールは、さわちんの実験の一つ。泥はねを防止することがメインの目的ですが、太陽光を反射させて、チンゲンサイの葉っぱの裏側までしっかり光をあてることで、元気なチンゲンサイになればなぁと考えて、実践中です。


さわちんの工夫 ~灌水設備~

他にも、ビニールハウス内の温度が下がると起きる厄介事として挙げられるのが、「灌水設備の凍結」。朝、チンゲンサイに水をあげようと思っても、パイプ内の水が凍結してバルブをひねっても全く水が出ない! 挙句の果てには、バルブが凍ってしまって、破裂してしまうなんてこともあります。

そうならないために、前日の夕方のうちにバルブは半分開けておきます。


こうすることで、バルブ内に水がたまらず、凍結による破裂を防ぐことができるのです。また、師匠から教えてもらったのですが、バルブをビニールでぐるぐる巻きにすることで、温度の低下を防ぐというやり方もあるのだとか。


これらの工夫で、灌水設備の凍結をばっちり防ぐことができました!

冬は、朝の早起きも夕方の作業も寒くて嫌になっちゃいますが、それ以外にもチンゲンサイのこと、ビニールハウスのこと、さまざまなことを気にしなくてはいけません。

あるときは先輩に教えてもらい、あるときは思い付きでいろんな対策を講じたことで、就農して初めての冬は大きなトラブルもなく過ごせそうで、ほっとしています。

さて次回は、確定申告も無事終わりましたので、2021年のコケチンファームの収支をドドンッ! と大公開。第1四半期の収支は以前の記事で書きましたので、残りについてもお伝えしたいと思います。お楽しみに!

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WRITER LIST

  1. 槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  2. 田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  3. さわちん
    2児の父。あるきっかけにより農業のイメージを変えたいと考え、16年間のサラリーマン生活にピリオドを打つことを決意。2020年春、家族で田舎に移住し、新規就農を目指す。自身が「移住×就農のモデルケース」となるために、いろんな方面へ向けて奮闘中。
  4. 福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  5. 窪田新之助
    農業ジャーナリスト。福岡県生まれ。日本経済新聞社が主催する農業とテクノロジーをテーマにしたグローバルイベント「AG/SUM(アグサム)」プロジェクトアドバイザー、ロボットビジネスを支援するNPO法人Robizyアドバイザー。著書に『日本発「ロボットAI農業」の凄い未来』『GDP 4%の日本農業は自動車産業を超える』(いずれも講談社)など。