「平均糖度9.46・可販果率95%の高糖度トマト」Happy Qualityと静岡大学の共同研究で生産

国立大学法人静岡大学と農業支援や青果卸売業務を展開する株式会社Happy Qualityは、AIによる灌水制御を使用した共同研究により平均糖度9.46、可販果率95%の高糖度トマトの生産に成功した。

今後も高品質・高機能な農作物を安定的に栽培できる栽培技術の確立を目指す方針を示した。


今回の研究は、高糖度トマトの栽培に必要とされる適度な水分ストレス量の実証を目的としたものだ。

AIの判断に基づく灌水制御が用いられ、平均糖度9.46の高糖度トマトがバラつきなく栽培できることが示されたほか、95%の可販果率で生産できることが確認された。

中玉トマト低段密植養液栽培実験の結果中玉トマト低段密植養液栽培実験の結果(A)

中玉トマト低段密植養液栽培実験の結果中玉トマト低段密植養液栽培実験の結果(B)

栽培実験の様子栽培実験の様子

2017年にスタートしたHappy Qualityと静岡大学の共同研究は、「植物の水分ストレスは植物のしおれ具合から把握できる」という仮定のもと、高糖度トマト栽培におけるAIの活用分野で成果をあげてきた。2018年の栽培実験では、大量の高糖度中玉トマトが安定的かつ低負担で生産できることを実証している。

同社は、今後もビックデータやAIを活用した農業を実践することで、高齢化に伴う農家戸数の減少や新規就農者の技術不足、所得の問題など、さまざまな農業課題の解決に取り組む考えを示している。


株式会社Happy Quality
https://happy-quality.jp/
国立大学法人静岡大学
https://www.shizuoka.ac.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
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    北島芙有子
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    川島礼二郎
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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