産学連携で共同開発、静電気を活用して雑草を抑制する装置「WCP」発売

株式会社トワロントレーディング、近畿大学農学部農業生産科学科教授 松田克礼氏、朝日金網株式会社は、静電気の技術を活用してつる系雑草の繁茂を抑制する設置型雑草抑制装置「WCP(Weed Control Panel)」を共同開発した。2025年8月1日(金)より、事業者向けに販売を開始している。

WCP(Weed Control Panel)(右)、WCPの試作品を設置したフェンス(左)

世界初、静電気の技術を活用して雑草抑制


設置型雑草抑制装置「WCP」は、二重あみ間に形成される静電場に、つる系雑草が侵入すると誘発するアーク放電を利用し、雑草の頂芽を枯らし成長を抑制する。市販のソーラー式電牧器を利用して設置し、特別な技術も必要なく軽量なため誰でも簡単に設置が行える。

公共インフラ施設や太陽光発電所、高速道路、鉄道沿いのフェンスなど、つる系雑草が繁茂しやすい場所や、除草作業の人手確保に苦慮する現場での活用が期待されている。

2021年から4年間、実用化試験を実施し、つる性雑草である葛(くず)に対する抑制効果が確認されており、現在は大阪府東大阪市から奈良県奈良市を結ぶ第二阪奈有料道路と近畿大学農学部との境界フェンスおよび農学部キャンパス内において実用化試験を行っている。

なお、「WCP」に活用している技術については、トワロントレーディングと近畿大学が共同で特許の出願手続きを進めているという。

商品概要

「WCP」
発売日:2025年8月1日(金)
販売方法:問合せもしくは営業販売
販売対象:公共インフラ施設、太陽光発電所、高速道路、鉄道等の事業者
販売価格:都度見積
寸法:945×945×30(mm)
重量:2.95(kg/P)
素材:塩化ビニル、亀甲金網


株式会社トワロントレーディング
https://www.towaron.co.jp/
朝日金網株式会社
https://awn.co.jp/
近畿大学農学部 農業生産科学科 教授 松田克礼
https://www.kindai.ac.jp/meikan/402-matsuda-yoshinori.html
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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