ミライ菜園、愛知県と共同で「シソ病害虫AI画像診断技術」を開発
株式会社ミライ菜園は、愛知県農業総合試験場との共同研究で、スマートフォンで撮影した画像からしそ(大葉)の病害虫を高精度に判別するAI診断技術を開発した。

ミライ菜園は、病害虫予報、病害虫診断といった農業に関わるAIサービスの開発・提供を行う企業。これまでに病害虫診断アプリ「SCIBAI」や防除支援アプリ「TENRYO」をリリースしている。
農業現場において、病害虫の誤診断は不適切な農薬散布を招き、被害の拡大やコスト増大に直結する問題だ。特にしそは愛知県が全国シェア約70%を占める重要作物であるが、トマトやいちごといった主要な作物に比べてAI診断技術の開発が進んでおらず、熟練者のスキルに頼る部分が大きいという課題があった。
そこで同社は、愛知県が2021年度から推進する「あいち農業イノベーションプロジェクト」の一環として、愛知県農業総合試験場と共同でしその病害虫を高精度に判別するAI診断技術を開発。これまでデジタル診断ツールの整備が遅れていたしそに対し、独自の手法を用いることで平均精度94%という極めて高い診断能力を実現した。

開発にあたっては、農業総合試験場や協力農家などから約1万2000枚の被害画像が提供され、学習データとして活用している。
これまでのAI画像診断では1枚の画像から診断を行うものであったが、背景に着目して誤った特徴を抽出してしまう場合や、症状が酷似しており写真だけでは判断がつきにくいなど、一定の誤診断リスクが残っていたという。そこで、生産者の求める高精度を実現するため、複数の画像と畑での発生状況等に関する問診情報を組み合わせる手法を開発した。
問診は人間の専門家が診断時に行う観察、聞き取り内容を再現したもので、画像1枚のみの診断では排除できない明らかな誤診を防ぐことができ、主要な病害虫11種を平均精度94%で診断できるようになった。
生産者はスマートフォンを通じて、撮影した写真や過去の画像をもとに迅速な診断結果を得ることができるため、病害虫被害の軽減や農薬の適正な使用につなげることが期待される。
今後は、しそ以外の主力野菜への応用も視野に入れ、さらなる研究開発を進めていくという。またミライ菜園では、「TENRYO」に同技術を統合する計画も行っている。
「TENRYO」は、AIが病害虫の発生を予測して適切な農薬散布タイミングを知らせたり、適切な農薬を推奨してくれるアプリで、キャベツ、ブロッコリーといった愛知県で生産が盛んな野菜のほか、柑橘類など13種の農作物に対応している。


愛知県農業総合試験場 環境基盤研究部 病害虫研究室主任 荒川みずほ氏のコメント
「今回の開発では、スタートアップ企業と連携することで試験場が単独では持ち得ていないAI技術を活用し、これまで蓄積してきた病害虫診断の知見を最大限に活かすことができました。スタートアップならではのスピード感と柔軟性により、現場ニーズに即した技術を短期間で形にできたことは大きな成果です。また農林水産事務所農業改良普及課と生産者とのネットワークがあったことで、現地での実証試験をスムーズに進めることができました。こうした連携体制のもと、精度検証と改良を繰り返すことで従来技術では難しかった高精度な診断を実現しました。今後も産学官連携を通じて、地域農業の課題解決に貢献する技術開発を進めてまいります」
東三温室園芸農業協同組合 防除担当 鈴木克之氏のコメント
「特に診断ニーズの高い微小害虫について、実用的な精度に達しています。シソは病害虫被害による減収・品質低下の影響が大きい作物です。被害を抑えるには早期発見が重要ですが、病害虫診断のスキルを持つ人員は限られていることから、見回りが手薄になるときもあります。AI診断アプリがパート従業員等に普及すれば、診断の目が増え、より初期に適切な対処が可能になると期待しています」
株式会社ミライ菜園 代表取締役 畠山友史氏のコメント
「病害虫による収穫量の減少は、平均して約25%にも及ぶと言われ、私たちはこれを『畑のフードロス』と呼んでいます。これは一般的に知られる消費段階のフードロスよりも大きな規模であり、農家の所得向上や環境負荷低減を阻む大きな要因です。 今回の開発において、スタートアップである我々にとって最大の壁はデータの質と検証環境でした。愛知県農業総合試験場や協力農家様から膨大な画像データの提供を受け、実際の栽培現場で厳格な精度検証を繰り返せたことが、実用レベルのAI構築に繋がりました。『何の病害虫かを正しく理解し、最小限の農薬で確実に対処する』。今回の一歩を、AIが防除のあらゆる悩みに寄り添う総合プラットフォームへとつなげてまいります」
株式会社ミライ菜園
https://www.mirai-scien.com/

開発したAIによるシソの病害虫画像診断
高い診断精度で「畑のフードロス」削減へ
ミライ菜園は、病害虫予報、病害虫診断といった農業に関わるAIサービスの開発・提供を行う企業。これまでに病害虫診断アプリ「SCIBAI」や防除支援アプリ「TENRYO」をリリースしている。
農業現場において、病害虫の誤診断は不適切な農薬散布を招き、被害の拡大やコスト増大に直結する問題だ。特にしそは愛知県が全国シェア約70%を占める重要作物であるが、トマトやいちごといった主要な作物に比べてAI診断技術の開発が進んでおらず、熟練者のスキルに頼る部分が大きいという課題があった。
そこで同社は、愛知県が2021年度から推進する「あいち農業イノベーションプロジェクト」の一環として、愛知県農業総合試験場と共同でしその病害虫を高精度に判別するAI診断技術を開発。これまでデジタル診断ツールの整備が遅れていたしそに対し、独自の手法を用いることで平均精度94%という極めて高い診断能力を実現した。

開発にあたっては、農業総合試験場や協力農家などから約1万2000枚の被害画像が提供され、学習データとして活用している。
これまでのAI画像診断では1枚の画像から診断を行うものであったが、背景に着目して誤った特徴を抽出してしまう場合や、症状が酷似しており写真だけでは判断がつきにくいなど、一定の誤診断リスクが残っていたという。そこで、生産者の求める高精度を実現するため、複数の画像と畑での発生状況等に関する問診情報を組み合わせる手法を開発した。
問診は人間の専門家が診断時に行う観察、聞き取り内容を再現したもので、画像1枚のみの診断では排除できない明らかな誤診を防ぐことができ、主要な病害虫11種を平均精度94%で診断できるようになった。
生産者はスマートフォンを通じて、撮影した写真や過去の画像をもとに迅速な診断結果を得ることができるため、病害虫被害の軽減や農薬の適正な使用につなげることが期待される。
今後は、しそ以外の主力野菜への応用も視野に入れ、さらなる研究開発を進めていくという。またミライ菜園では、「TENRYO」に同技術を統合する計画も行っている。
「TENRYO」は、AIが病害虫の発生を予測して適切な農薬散布タイミングを知らせたり、適切な農薬を推奨してくれるアプリで、キャベツ、ブロッコリーといった愛知県で生産が盛んな野菜のほか、柑橘類など13種の農作物に対応している。

TENRYOのアプリ画面

愛知県農業総合試験場 環境基盤研究部 病害虫研究室主任 荒川みずほ氏のコメント
「今回の開発では、スタートアップ企業と連携することで試験場が単独では持ち得ていないAI技術を活用し、これまで蓄積してきた病害虫診断の知見を最大限に活かすことができました。スタートアップならではのスピード感と柔軟性により、現場ニーズに即した技術を短期間で形にできたことは大きな成果です。また農林水産事務所農業改良普及課と生産者とのネットワークがあったことで、現地での実証試験をスムーズに進めることができました。こうした連携体制のもと、精度検証と改良を繰り返すことで従来技術では難しかった高精度な診断を実現しました。今後も産学官連携を通じて、地域農業の課題解決に貢献する技術開発を進めてまいります」
東三温室園芸農業協同組合 防除担当 鈴木克之氏のコメント
「特に診断ニーズの高い微小害虫について、実用的な精度に達しています。シソは病害虫被害による減収・品質低下の影響が大きい作物です。被害を抑えるには早期発見が重要ですが、病害虫診断のスキルを持つ人員は限られていることから、見回りが手薄になるときもあります。AI診断アプリがパート従業員等に普及すれば、診断の目が増え、より初期に適切な対処が可能になると期待しています」
株式会社ミライ菜園 代表取締役 畠山友史氏のコメント
「病害虫による収穫量の減少は、平均して約25%にも及ぶと言われ、私たちはこれを『畑のフードロス』と呼んでいます。これは一般的に知られる消費段階のフードロスよりも大きな規模であり、農家の所得向上や環境負荷低減を阻む大きな要因です。 今回の開発において、スタートアップである我々にとって最大の壁はデータの質と検証環境でした。愛知県農業総合試験場や協力農家様から膨大な画像データの提供を受け、実際の栽培現場で厳格な精度検証を繰り返せたことが、実用レベルのAI構築に繋がりました。『何の病害虫かを正しく理解し、最小限の農薬で確実に対処する』。今回の一歩を、AIが防除のあらゆる悩みに寄り添う総合プラットフォームへとつなげてまいります」
株式会社ミライ菜園
https://www.mirai-scien.com/
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